2015 Fiscal Year Research-status Report
フレイルの実態と予防に関する研究・ケア付き老人ホーム入居者のケアモデルを目指して
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15K20764
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石本 恭子 京都大学, 東南アジア研究所, 連携研究員 (50634945)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フレイル / 施設在住高齢者 / QOL / 転倒 / 基本的ADL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者の虚弱性を示すフレイル指標を用いてその実態を解明し、入居高齢者・施設職員・研究者とが協働し、個別性のあるフレイル予防のためのケアモデルを提示することにある。 初年度である2015年は、京都市の有料老人ホーム入居者を対象に、フレイルの実態を明らかにすることを目的とした。2015年5月に健診ならびに自記式問診票において有効な回答が得られた63~97歳の高齢者96名を解析対象とした(男性27名:女性69名、平均年齢84.6歳)。QOL評価には、Visual analog scale(VAS)による主観的健康観、SF-8を用いた。その他の調査項目は、基本的ADL、老研式活動能力指標、15項目うつスコア、5項目転倒スコア、既往歴・内服状況、身体機能、認知機能、要介護度とした。5項目フレイル評価基準(Shimada et al JAMDA 2015改)を用いて3点未満を非フレイル群、3点以上をフレイル群とした。 28%がフレイルと判定された。フレイル群は非フレイル群を比較し、基本的ADL、身体的サマリースコア、精神的サマリースコアが低く、転倒スコア、うつスコア、が有意に高かった(p<0.05)。身体機能では、非フレイル群がアップアンドゴーテストで有意に高値、片足立ち時間が有意に低値であった(p<0.05)。フレイルスコアとVASによる主観的幸福感、家族関係、友人関係、幸福感、FS-8の各項目及び身体的サマリースコア、精神的サマリースコアは有意に相関した。フレイルはQOLと関連することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画通り有料老人ホームにおいて健診ならびにアンケート調査を実施することができた。現在も、解析を進めているところである。また、2016年度の健診とアンケート調査の計画も進行し、実施日も決まっている。以上より、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して有料老人ホームでの調査を実施する。昨年度のデータも用いて、縦断的に解析を行う予定である。本年度は、ケアプランの状況に関しても調査を行い、フレイルとの関連を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
調査や入力作業がスムーズに行うことができ、人件費、その他の費用が少額となり、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度も、研究・調査のための謝金・英文校閲などの費用と、対象老人ホーム調査に利用できる物品購入を考えている。
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Research Products
(2 results)