2016 Fiscal Year Research-status Report
フレイルの実態と予防に関する研究・ケア付き老人ホーム入居者のケアモデルを目指して
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15K20764
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
石本 恭子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50634945)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フレイル / 施設入居高齢者 / 転倒 / ADL / QOL / 介護度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者の虚弱性を示すフレイル指標を用いてその実態を解明すること、入居高齢者・施設職員・研究者が協働し、個別性のあるフレイル予防のためのケアモデルを提示することにある。 昨年に引き続いて、京都市の有料老人ホーム入居者を対象に5月に健診、7月に質問票を用いてアンケート調査を実施した。アンケートでは253名(男性62人、女性191人、平均年齢86.0±7.1歳、入居者の約90%)の回答が得られた。要支援を含む介護保険申請者割合は、全体の49.2%であり、年齢群が高くなるにつれてその割合は高くなった。また、健診参加者は84名(入居者の約30%)であった。 有効な回答が得られた75名を対象に、5項目フレイル評価基準(Shimada et al JAMDA 2015 改)を用いてフレイル判定を行った。フレイルスコア3点以上であるフレイル群は24名(男性4名、女性21名、平均年齢85.0±7.1歳)、非フレイル群は(男性14名、女性37名、平均年齢83.9±6.6歳)であった。フレイル群の介護保険申請者の割合は62.5%であり、非フレイル群の31.4%より高い割合であった(p<0.05)。ケアの内容において、フレイル群は、非フレイル群と比較し環境整備(居室訪問による清掃や、室内の温度管理、リネンの交換)と栄養管理(栄養相談、体重測定)の利用の割合が有意に高かった(p<0.05)。 フレイルである高齢者に対しては、栄養状態や、生活環境に配慮が必要であることが示唆される。フレイルとケアの関連について、詳細に検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年6月に対象施設職員と協働し、アンケート調査と健診を計画通り実施した。対象の高齢者に対して結果表の配布、結果説明会を行った。現在縦断データで解析を行っている。おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度もアンケートと健診を実施している。縦断データの構築を行う。施設担当者と共同研究者とともに転倒予防手帳を作成し配布予定である。
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Causes of Carryover |
調査や入力作業等がスムーズに行うことができ、人件費、物品費が少額となり差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究・調査のための謝金と英文校閲などの費用と調査のための物品購入を予定している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The association between dentition status and sarcopenia in Japanese adults aged ≧ 75 years.2017
Author(s)
Iwasaki M, Kimura Y, Ogawa H, Wada T, Sakamoto R, Ishimoto Y, Fujisawa M, Okumiya K, Ansai T, Miyazaki H, Matsubayashi K.
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Journal Title
Journal of Oral Rehabilitation.
Volume: 44
Pages: 51-58
Peer Reviewed
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