2018 Fiscal Year Research-status Report
フレイルの実態と予防に関する研究・ケア付き老人ホーム入居者のケアモデルを目指して
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15K20764
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
石本 恭子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50634945)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレイル / 日常生活機能 / 施設入居高齢者 / 介護度 / QOL / 知的能動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者の脆弱性を示すフレイル指標を用いてその実態を解明すること、および入居高齢者・施設職員・研究者が協働し、個別性のあるフレイル予防のためのケアモデルを提示することにある。 2018年度は、健診を行い69名の入居者が参加した(参加率25.7%)。また自記式問診票は227名から回答が得られた(回答率84.4%)。フレイル判定が行えた84名のうち、非フレイルは、22.6%、プレフレイル47.6%、フレイルが29.7%であった。2015年から2018年の間で、フレイル得点(16.4±1.2、1.6±1.3、1.7±1.3、1.7±1.3)、およびフレイルの割合(20.8%、22.4%、15.7%、29.8%)の変化は、統計学的に有意ではなかった。 自記式質問票の回答者を対象に4年間の変化についてANOVAを用いて検討した。4年間で平均年齢、基本的ADL、GDSスコア、要介護状況は有意な変化は認められなかった。一方、知的能動性は、3.0±1.3(2015年)から2.5±1.7(2018年)に低下し、1週間に1度も外出をしない割合は、41.2%(2015年)から55.2%(2018年)に増加した(p<0.005)。男女別で同様の解析を行った結果、女性のみで、知的能動性が低下していた。 4年間継続してフレイルを同定できたものは36名にとどまった。そのうち、8名は4年間非フレイルであった(平均年齢81.3±6.3、女性6名)。集団としては、知的能動性低下が見られるものの、非フレイル維持群は、知的能動性低下が見られず、積極的に外出を行っていた。高次機能の維持、積極的な外出がフレイル予防の一助になることが推察される。今後、さらなる検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた自記式問診票と、健診調査は、計画通りに4年間実施することができた。また、2018年度の結果、4年間の成果について、施設入居者、職員にたいして結果説明会を開催し報告を行っている。しかしながら、データの解析では期待した結果が得られておらず、現在も検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
4年間のデータは得られている。これらのデータをもとに、定期的に共同研究者らに成果を報告を行い、アドバイスを得ながら、継続してデータ解析を進める。施設職員にも助言を求め、実際のケアの状況を明確にしていく。さらに、論文作成につなげていく。
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Causes of Carryover |
解析の遅れから、論文執筆まで行えていない状況である。今後は、解析を進め、学会での成果報告と論文執筆を行う予定である。データ収集・国内海外での学会発表のための旅費(約30万円)、論文校閲などのその他の支出(10万円)、文具等の物品費(7万円)を計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Association between objectively measured chewing ability and frailty: A cross-sectional study in central Thailand.2018
Author(s)
Iwasaki M, Kimura Y, Sasiwongsaroj K, Kettratad-Pruksapong M, Suksudaj S, Ishimoto Y, Chang NY, Sakamoto R, Matsubayashi K, Songpaisan Y, Miyazaki H.
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Journal Title
Geriatr Gerontol Int.
Volume: 6
Pages: 860-866
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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