2015 Fiscal Year Research-status Report
非がん高齢者の在宅看取りに向けた家族支援プログラムの開発と評価
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15K20767
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
横山 まどか 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (30737507)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢看護学 / 非がん / 家族支援 / 在宅看取り |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、国内外の文献検討及び国内外の学会に参加し、非がん高齢者と家族への在宅看取りに関する支援として、家族システムにアプローチする方法としての意図的な問いや会話に関する国内外の研究動向を明らかにし、次年度に実施する熟練訪問看護師を対象としたインタビュー調査のインタビューガイド案を作成した。 国外文献では、疾患を持つ家族の経験や家族間の会話の特徴を質的に明らかにした研究、家族および看護職を対象とした教育介入プログラムの効果に関する研究が多かった。国内文献では、「家族システム」をキーワードとして医中誌Webで過去15年間の原著論文を検索した結果55編であった。家族システムの理論はCFAM/CFIMが最も多く使用されていた。家族システムのうち、どのサブシステムに着目しているのかをみると、親子が最も多く19編、続いて夫婦17編、同胞6編、拡大7編、嫁姑2編であった。研究の場は病院が31編で、在宅は5編であった。研究対象のライフサイクルは高齢者が7編、壮年期および高齢者が5編であった。研究対象の疾患別に見ると、精神疾患が最も多く13編だった。がん疾患は11編でそのうち8編は終末期に着目していた。慢性疾患は12編であった。在宅を研究の場にしている研究5編すべてが慢性疾患に着目している研究であったが、終末期に着目しているものはなかった。研究の背景として多かったのは、家族間の関係性に悪循環がある場合や対象者と家族が治療や療養の場について意向に不一致がある場合であった。 以上の研究動向を踏まえて、終末期にある非がん高齢者と家族の意向が不一致な状況における熟練訪問看護師の支援内容を抽出し、その構造を質的に明らかにすることを目的としたインタビューガイド案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューガイド案を作成するにあたり、文献検討に時間を要したこと。また、平成27年度中に、インタビューガイド案を用いて熟練訪問看護師へのパイロットスタディを実施し、結果を分析、検証したうえでインタビューガイドを完成させる予定であったが、熟練訪問看護師と研究者の日程調整に時間を要し、遅れが生じたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに進めていく。具体的には、熟練訪問看護師への個別インタビューを実施し、支援内容を構造化する。また、支援のモデル事例を選定し、支援の場面を抽出し、家族支援プラグラム案を作成。その後、家族支援プログラム案を検証、評価、修正し、確定版の開発、公表を行う。
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Causes of Carryover |
パイロットスタディに伴う調査旅費、研究協力者謝金、逐語録化の業者委託費を支出する予定であったが、パイロットスタディを今年度中に終えることができなかったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、熟練訪問看護師へのインタビュー調査に伴う調査旅費、研究協力者謝金、逐語録化の業者委託費、分析ソフト費等に使用する予定である。
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