2015 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養高齢者の急性期入院ケアを支える学際的チームケアプログラムの開発
Project/Area Number |
15K20781
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
金盛 琢也 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (80745068)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 在宅医療 / 急性期ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は在宅療養高齢者の急性期入院ケアを支える学際的チームケアプログラムの開発を目的としている。そこで、平成27年度は①ACEユニット等海外の高齢者ケアプログラムの視察、②本邦の在宅療養高齢者への適応の検討を行った。 海外の高齢者ケアプログラムの視察では、老年医学の権威である米国ミシガン大学ヘルスシステムにおいて、先駆的な高齢者の入院ケアプログラムとして、Acute Care for Elders(ACE)ユニットと関連施設(高齢者外来、リハビリテーション施設、在宅療養高齢者向けディプログラム)の視察を行った。ACEユニットは、高齢者向けの入院環境、チームによる治療・ケア・リハビリの共有、看護師による入院中合併症の予防介入、早期退院支援を多職種が包括的に行うプログラムである。開始から数年ではあるが、ACEの導入により在院日数を4/5程度に減少した等の効果も示されており、中でも看護師が行う合併症への予防介入はプログラムの中核的な役割を担っていた。また、外来、入院、リハビリテーション施設、ディプログラムなどミシガン大学ヘルスシステム全体で、患者情報や各職種のアセスメント内容が共有されており、入退院の効率化を促進していた。 ミシガン大学ヘルスシステムの視察より、本邦における高齢者の急性期入院ケアを支える学際的チームケアプログラムの開発には、特に看護師による入院中の合併症への予防介入の明確化が課題であり、プロトコル作成が必要であるとの示唆を得た。また、地域の多機関で共有できる電子カルテシステム等の構築が必要であり、在宅事業所との情報共有ツールの作成の必要性も明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、研究計画に沿い、海外における高齢者の急性期ケアプログラムの視察、ならびに本邦の在宅療養高齢者への適応について検討をすることができた。 パンフレット作製中のため、一部研究計画に遅れが生じているため、現在までの進捗状況は「やや遅れている」状態と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、高齢者向けの入院環境、チームによる治療・ケア・リハビリの共有、看護師による入院中合併症の予防介入、早期退院支援で構成する多職種ケアプログラムのパンフレット作成を行う。また開発したプログラムの在宅療養高齢者に対する適応可能性を検討し、プログラムを評価するために、在宅療養高齢者が入院した際の入院中合併症の有無、在院期間等をプログラム導入前後で調査し分析する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度はパンフレット作製およびプログラムに要するケア物品の整備を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プログラムの開発に向けて。パンフレット作製、活動量計等の測定器具を購入し、平成28年度に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)