2015 Fiscal Year Research-status Report
うつ病患者の生活困難感を軽減させる看護ケアモデルの構築
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15K20785
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
廣島 麻揚 (鈴木麻揚) 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (60336493)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | うつ病 / 生活困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病患者のインタビューをもとに、うつ病患者が感じる生活困難感を軽減させる要因を抽出した。うつ病患者が生活を送る中で抱える困難感が解消された体験、およびそれに影響していると当事者が思っていることについて把握し研究データとした。そのデータをもとに家族や職場の人の関わりなど、関わる人を限定しない「生活困難感を軽減させる関わり」を質的帰納的に分析した。結果、次のような要因が抽出された。 自己認知コントロール(例:そういう方向に向かわないぞ、思考しない、無意識のうちに行きたがってるような人間だからこそ、そっちに行かないようにしようって今決めてる)、家族の存在、家族に自己開示できること(例:一番近い存在である家族であればこそ、もっとアサーティブに、率直に、自分の感情を伝えられたら)、時間帯(例:夕方は調子いい)、医療サービス(復職支援、カウンセリング、相談)、何かをすること(例:掃除や趣味の活動)、ピアサポート(ピアの存在、情報がもらえる)(例:同じ症状の人と一緒にしゃべった時に癒された)、職場の理解(理解、気にしない態度)(例:案外、周りはそこまで気にしていないんですよね。自分が思ってるよりも軽いというか、普通に話しかけてきてくれる人もいるし、普通に接してくれる)、看護師の声かけ(例:「どうです?」看護師さんの声掛け、慰められた癒された。「今はもう皆そうですよ。」って言われると、そうですかって、納得しました。夜勤、散歩、何気ない会話、皆そうなのかなーって思う)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画として平成27年度は、次のことを計画していた。うつ病患者を対象にした面接調査と病棟およびデイケアでの参加観察の実施。うつ病患者が生活を送る中で抱える困難感が解消された体験、およびそれに影響していると当事者が思っていることについて把握。得たデータをもとに家族や職場の人の関わりなど、関わる人を限定しない「生活困難感を軽減させる関わり」を質的帰納的に分析。まとめた結果の発表。 結果の発表がまだできていないため、「おおむね順調」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の平成28年度計画通り、27年度に行ったデータ分析結果より、関わる人を限定しない「生活困難感を軽減させる関わり」について明らかにする。また、研究発表する。さらに、参加観察を継続する。 これらの研究発表、参加観察の結果を受けて、平成29年度に実施する看護師対象のインタビューの準備(倫理委員会への申請、インタビューガイドの作成)を進める。
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Causes of Carryover |
平成27年度、研究成果を発表することを計画していたが、データ分析に時間がかかってしまい、できなかった。そのため、研究成果発表に関わる費用が使用されずに残ってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度にできなかった研究成果発表を28年度に実施する。27年度未使用分の研究費は、研究成果発表費用として28年度に使用する予定である。
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