2015 Fiscal Year Research-status Report
子育て力のコミュニティ・エンパワメントを促す参加行動型研究
Project/Area Number |
15K20798
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松井 理恵 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60736263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 保健推進員 / コミュニティ・エンパワメント / CBPR / 文献レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域における子育て支援を推進するために、人口中規模の一市町村において、保健推進員を中心とした子育て力のコミュニティ・エンパワメントを促すための参加行動型研究(以下CBPRとする)を実施し、その評価として、保健推進員のセルフ、ピア・エンパワメント及びその地域のコミュニティ・エンパワメントにおける変化とそれに関連した促進要因・抑制要因を明らかにすることである。 平成27年度は、CBPRの準備を行った。具体的には、CBPRのプロセスの中で、保健推進員や子育て家庭、地域の変化を評価するための指標を検討するため、文献レビューを実施した。キーワードは「保健推進員」「母子保健推進員」「健康推進員」「保健ボランティア」「愛育班」「住民組織」「コミュニティ・エンパワメント」「エンパワメント AND 推進員」とし、137件の原著論文が抽出された。この中から、保健推進員等住民組織の変化について記載されている質的研究を選択基準とし、14件がレビュー対象となった。保健推進員等住民組織の変化には、個人レベル、組織レベル、地域レベルの変化があることが明らかとなった。この内容は地域看護学会平成27年度研究活動推進員会主催セミナーにて発表した。 また、本研究の基盤となる修士論文「生後3~4か月の第1子をもつ母親が満足した祖母の支援」について論文投稿中である。その他、学会参加や文献等により、地域住民の子育て支援に関する情報収集を行った。 更に、【保健推進員の活動実態調査①】として、県内の保健推進員の子育て支援活動について、保健師と協働し、保健推進員や地域の子育てに良い影響を及ぼしている好事例を把握するための調査実施にあたり、現在県担当者と検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画としては、【保健推進員の活動実態調査①②】として、平成27年度に県内外の保健推進員の子育て支援活動について、好事例を把握するための参加観察やインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、活動実態調査やCBPR実施にあたり、活動のなかで保健推進員や子育て家庭、地域の変化を具体的に評価する必要があると考え、まず文献レビューを実施した。そのため、活動実態調査へ取りかかる時期が遅くなった。【保健推進員の活動実態調査①】である県内の好事例については、現在県担当者と対象市町村の選定等を検討している段階である。【保健推進員の現在活動実態調査②】については、学会誌等から情報収集をしている段階にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、平成28年度にCBPRを展開する予定であったが、前述のとおりCBPR実施にあたり、活動のなかで保健推進員や子育て家庭、地域の変化を具体的に評価する必要がある。そのため、CBPR開始前に、次の研究を実施する。県内外の保健推進員の活動実態調査として、子育て支援活動の好事例について参加観察およびインタビュー調査を実施する。ここで得られた知見と、平成27度に実施した「住民組織の活動による変化に関する文献レビュー」を基に、子育て力のコミュニティ・エンパワメントの概念を明らかにする。これをもって、CBPRの実施にあたる。平成28年度終盤を目途に、CBPRの対象地域と研究実施の打ち合わせを開始する。
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Causes of Carryover |
平成27年度の費用はおおむね執行したが、若干未使用額が発生した。平成27年度は主にCBPRやコミュニティ・エンパワメントに関する情報収集を、文献や学会参加を通して実施し、そのための費用として使用した。平成28年度には、調査で地域に出向くため、調査に必要な物品を購入するために、調査が具体的になった段階で購入したほうがよいという理由で、残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、活動実態調査費として、ビデオカメラ、ICレコーダー、ファイル等文房具の購入と、県内外の活動見学のための旅費として使用する。また、調査結果の報告のための学会参加旅費として使用する。よって、次年度使用額も含め、予定通りの遂行が見込まれる。
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Research Products
(1 results)