2016 Fiscal Year Research-status Report
性成熟期女性労働者の主体的保健行動を目指したヘルスリテラシー向上プログラムの開発
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15K20801
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
河田 志帆 京都学園大学, 健康医療学部, 講師 (70610666)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヘルスリテラシー / 性成熟期女性 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に20歳代の女子大学生を対象にプログラムの効果を検討した。その結果、介入群にヘルスリテラシーおよび女性の健康に関する知識の向上が見られたが、保健行動の促進までは至らなかった。その結果を踏まえ、今年度は性成熟期にある女性労働者を対象とし、保健行動の促進を目指したプログラムについて専門職による内容の検討を行った。 昨年度女子大学生を対象に行った介入研究の結果から、一定の効果がえられたためプログラムの構成要素は変更せず、プログラムの実施期間、使用する媒体のイラスト、事例とする疾患などを中心に検討を行った。検討会の参加者は、研究者と産業保健分野で保健師として従事した経験がある大学教員1名、地域保健分野で成人保健・母子保健の従事経験がある大学教員1名、管理職である保健師1名、産業看護職1名の合計5名であった。プログラムの実施期間については、フォローアップを含めて6か月以上とした。これは、前年度の介入研究(3か月間)で保健行動への効果が少なかったことを再検討し、特定保健指導等の介入方法や実施期間を参考に設定した。プログラムの構成については、1回の講義後に毎月1回程度のリーフレットの配布またはメールでの相談案内および情報提供とした。初回講義は、事業所の健康診断の待ち時間等の活用を視野に入れ、30分から40分程度の時間を設定した。媒体のイラストについては、複数のイラストレーターに依頼し、受け入れやすいものを選択した。事例の中心として使用する疾患は、性器クラミジア感染症、子宮頸がんに絞り、HIVなどについても内容に含めることとした。これらの意見を反映し、プログラムの媒体等の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に実施した20歳代への女子大学生への介入研究により、プログラムの課題として大きく2点が明確になった。まず1点目は、保健行動への効果が少なかったことである。これについて、検討会のメンバーでプログラムの実施期間や構成について検討することができた。次に2点目は媒体の内容およびイラスト等の洗練である。短い時間で効果的に内容を伝えることが重要であるため、事例となる疾患やイラスト等についてスライド1枚ずつ検討し、使用するものを選択することができた。以上のことから、性成熟期の女性労働者に向けたプログラムの開発ができたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、性成熟期の女性労働者を対象にプログラムを実施する予定である。事業所での実施となるため、介入群と比較群の2群を設定することは難しい可能性がある。そのため、1群の前後比較等のデザイン変更も視野にいれ、分析方法や条件の設定等について検討している。
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Causes of Carryover |
物品購入、支払等の税金額に誤差が生じたためである
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
差額は誤差の範囲内であるため、次年度の執行計画に影響はない
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