2015 Fiscal Year Research-status Report
壮年期からの転倒予防のための自己チェックの方法論に関する研究
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15K20803
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
塩満 智子 宮崎大学, 医学部, 助教 (90468025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転倒予防 / 壮年期 / 中年期 / 運動習慣 / 体力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、壮年期・中年期の運動習慣と体力、転倒に対する意識の現状を明らかにすることを目的とした。 ロコモ検診を受診した宮崎県内のA社に勤務する壮年期・中年期の労働者を対象に、質問紙調査と体力測定を実施し、年代別に分析した。調査内容は基本的特性、運動習慣、体力、転倒経験、転倒に対する意識とした。 対象は壮年期・中年期の労働者68名、平均年齢45.5±7.8歳であった。30歳代の運動・スポーツの実施頻度は週1から2日が41.2%と最も多く、週3日以上の者は5.9%であった。1回あたりの実施時間については、いずれの年代も30分未満の者が多くみられたが、30歳代では1時間以上実施するという者は29.4%みられた。体力の開眼片足立ち(バランス能力)の評価は30歳代では全員最高得点であった。40歳代、50歳と少しずつ「優れている」の割合が少なくなっていた。長座体前屈(柔軟性)及び上体起こし(筋持久力)の評価はいずれの年代も「普通」や「やや劣っている」が多くみられた。転倒する不安があると回答した者はみられなかったが、1年以内に転倒したことがある者は各年代にみられた。また、体力に不安がある者が30歳代、40歳代にみられた。 壮年期の運動習慣について、運動頻度は少ないが、1回あたりの実施時間は長いといった傾向がみられた。体力については、柔軟性や筋持久力が低下している者はどの年代にもみられた。バランス能力は全体的に優れていたが中年期から徐々に差が出てくることが示唆された。今回は転倒について不安を感じている者はいなかったが、体力に不安がある者は壮年期からみられた。 今回の結果は、第6回日本健康運動看護学会学術集会で発表した。加筆し、論文としてまとめ、投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は壮年期・中年期の労働者の運動習慣と体力、転倒に対する意識を明らかにすることを目的に取り組み、得られたデータをまとめ学会発表することで今年度の計画はおおむね達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、対象を異なる職業に従事する労働者や地域の健康づくり教室等に参加者に拡大する。平成27年度のデータと合わせて、壮年期から中年期にかけての生活、転倒予防に関する意識・行動・身体の変化を明らかにしていく。結果は学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
平成27年度の調査・測定の協力機関が近隣であったため、費用が不要であった。 また、研究成果の投稿を予定していたが、投稿が3月末であったため、投稿料の請求がまだである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遠方での調査・測定の旅費、また、投稿中の研究成果の投稿料として使用予定である。
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