2015 Fiscal Year Research-status Report
市町村保健師との協働によるタブレット型保健指導教材システムのプロトタイプ開発
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15K20804
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
田仲 里江 札幌市立大学, 看護学部, 助教 (40613683)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 保健師 / 保健指導 / 生活習慣病予防 / 教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、市町村保健師との協働により住民用タブレット型保健指導教材システム(以下「タブレット型教材システム」)のプロトタイプを開発することである。近年、糖尿病を含む生活習慣病予防対策が我が国の重要課題となっている。生活習慣病に係る医療費が増加し続ける中、糖尿病性腎症による慢性腎臓病(CKD)に伴う新規透析導入、心血管疾患のリスクを高め、網膜症、神経障害、足病変といった合併症を併発し、生活の質(QOL)に多大な影響を及ぼすのみではなく、社会経済的活力と社会保障資源に多大な影響を及ぼす。厚生労働省は、糖尿病等の生活習慣病の予備群に対する保健指導の第一の目的を、生活習慣病に移行させないこととしている。また、生活習慣の改善につなげる保健指導の特徴として、健診によって生活習慣病のリスクを発見し、自覚症状はないが発症リスクがあることや、生活習慣の改善によってリスクを少なくすることが可能であることを、健診対象者にわかりやすく説明することが特に重要であるとしている。自治体保健師は、健診後の個別保健指導により、健診対象者一人ひとりの生活実態を把握し、体のメカニズムの視点から健診結果を読み取り、科学的根拠に基づき健診対象者に健診結果をわかりやすく説明することで行動変容を促し、糖尿病等の生活習慣病を予防する役割が期待されている。生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底に重点を置いた対策を推進するための、効果的で効率的な保健指導教材内容や保健指導方法を研究した文献は少ない。そこで、本研究では、自治体保健師が個別保健指導で活用できる効果的なタブレット型教材システムのプロトタイプを開発することを目的とする。 本年はまず、先行研究のレビューを行った。その結果、文献レビューをからインタビューガイド作成に向けた検討までを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、文献検討、保健指導プログラムを参考に、生活習慣病を予防するための保健指導に関する市町村保健師へのインタビュー調査のためのインタビューガイドを検討した。しかしプロセスに関する研究成果が少なかったため、次年度、実際に保健指導のプロセス、効果的な学習教材などを文献検討を踏まえて、インタビュー調査を実施し、保健指導プログラム内容を検討する必要があると考えた。そのため、現在までの達成度は「やや遅れている」であると判断したが、来年度のプログラムの実施のために重要なプロセスであったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画においての大きな見直しの必要性は考えていない。ただし、市町村保健師へのインタビューガイドの作成に時間を要したため、次年度、インタビュー調査や保健指導教材のプロトタイプの開発も含めて進めていく。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた研究協力市町村へのインタビュー調査が次年度に持ち越されたことにより、旅費の余剰が生じ、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の未使用額については、次年度の調査のための研究協力市町村への旅費や研究費学会等での関連情報の収集の旅費として研究費の使用計画を立てている。
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