2017 Fiscal Year Research-status Report
連続体概念における発達障害児の多職種支援に向けた「気になる子ども」評価尺度の開発
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15K20809
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大河内 彩子 (井出彩子) 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70533074)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気になる子ども / 発達障害 / 虐待 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は早期把握が喫緊の課題でありながら、見逃されることもある発達障害児および連続体概念におけるグレーゾーンの子どもをスクリーニングすることを意図した、多職種連携にもとづく尺度の開発を目指している。 「気になる子ども」評価尺度のパイロットスタディを行うために、尺度の外的基準となりうる既存尺度の選定を海外文献を中心に行い、「スペクトラム概念の境界理解に向けた自閉的特性のスクリーニングに関する文献検討」として査読付雑誌に筆頭著者として発表した。[文献要約]国内外における先行研究から子どもにおける自閉症的特性のスクリーニングの実態を把握し、早期スクリーニング方法開発の示唆を得ることを目的とした。自閉症的特性は自閉症スペクトラム障害と比較した場合、一般人口でも見られ臨床域ではない程度の症状が特徴であった。スクリーニング尺度はthe Autism-Spectrum Quotient(AQ)、the Childhood Autism Spectrum Test(CAST)等が多く、自閉症的特性の程度の軽重を判定していた。在宅分野でも自閉症的特性をもつ子ども・成人およびその親への支援が行われており、今後、適切なスクリーニング方法と在宅看護における支援方法の検討が必要である。 また、「気になる子ども」評価尺度が多職種連携における実践上の有用性をさらに持つことができるようにするために、平成28年度に保育園看護職に対するインタビュー調査を行ったが、その成果をまとめ、「保育所看護師が行う発達上の課題がある子どもと養育者への支援」として査読付き雑誌に発表した。さらに「気になる子ども」評価尺度案を専門学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者の異動があり、また異動先が遠方になることが予定されていたため、パイロットスタディ実施時の調査票回収が困難になることが予測されたため、パイロットスタディ実施を延期し、専門家による会議を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
「気になる子ども」評価尺度の作成および完成を目指す。発達障害児支援の先駆的取組のある主要都市を対象とした、日本多地域共同研究を実施し、「気になる子ども」評価尺度を完成させる。全国エキスパートパネルの評価を踏まえた、完成版評価尺度(案)を用いて、協力自治体の保健・医療・保育・教育職ならびに地域における子育て支援者を対象とした調査を実施する。因子分析・確証的因子分析を行い、各因子および「気になる子ども」評価尺度全体の信頼性・妥当性を検討する。
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Causes of Carryover |
研究者の異動が予定されていたため、パイロットスタディを実施した時の調査票回収が困難になることが予測されたため、パイロットスタディ実施を延期した。平成30年度にスタディを実施し、「気になる子ども」評価尺度の作成および完成を行う予定である。
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Research Products
(3 results)