2018 Fiscal Year Research-status Report
連続体概念における発達障害児の多職種支援に向けた「気になる子ども」評価尺度の開発
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15K20809
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大河内 彩子 (井出彩子) 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70533074)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気になる子ども / 発達障害 / 児童虐待 / スクリーニング / 乳幼児健診 / 子育てプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果の公表として、「乳幼児健診での事後支援の明確化に向けた自閉症的特性のスクリーニング基準の検討」というタイトルで、学会発表を行った。自閉症的特性は自閉症スペクトラム障害と共通する社会性やコミュニケーションの障害であるが、一般人口でも見られ臨床域ではない程度の症状が特徴であった。スクリーニング尺度はthe Autism-Spectrum Quotient(AQ)、the Childhood Autism Spectrum Test(CAST)等が多く、自閉症的特性の程度の軽重を判定していた。早期スクリーニングではthe Autism Observation Scale for Infants(AOSI)やthe Child Behavior Checklist(CBCL)等が用いられていた。次に、「「気になる子ども」を地域で見守る子ども・青少年健全育成プログラムの開発」についても学会発表を行った。警察と住民の連帯による若者健全育成支援クラブPolice-Citizens Youth Clubs (PCYC)は、若者の健全育成を支援する事業であり、70年の歴史を持ち、クイーンズランド州だけで54か所の支部を持つ。なお若者は小・中・高校児童生徒が想定されているが、年齢制限は設けられていない。 研究の展開を協議するため、クイーンズランド大学のサンダース教授と協議を行い、同大学大学院で講演を行い、オーストラリア人研究者・大学院生およびアジア系留学生と「気になる子ども」や発達障害児の支援、子育て文化に関する討議を行った。現地における子育てプログラムや児童青少年の健全育成プログラムの見学も行った。 研究フィールド拡大に向けて、保健所医師・保健師、保健センター保健師、児童養護施設職員等と協議を行った。共同研究者と児童養護施設での健診・健康教育を実施した。児童養護施設での子育てプログラム講座を実施した。また、関連学会で保健師・医師・歯科医師・歯科衛生士・心理士等と協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異動後、新任地での業務が多忙であったため。当初予定していた保健師の視点以外にも多職種の視点の調査を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
発達障害や虐待の可能性のある「気になる子ども」を乳幼児健診で早期に把握し、適切な事後支援につなげるために、自閉症的特性を診断閾ほどではないが一定の量をもつ子どもについても拾い上げ、支援の対象とする尺度の開発を行う。
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Causes of Carryover |
調査のための研究フィールドの確保が異動のため、当初予定より遅れたため。今後、調査実施および研究成果公表のために使用する。
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Research Products
(3 results)