2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Resident-centered Multidisciplinary Collaboration Model Aiming to Build a Comprehensive Community Care System in Remote Areas
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15K20810
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
宗宮 真理子 (百武真理子) 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (50614301)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | へき地診療所 / 地域包括ケアシステム / 多職種協働モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、住民の健康維持・増進に深くかかわっている診療所看護師を起点とした、へき地における地域包括ケアシステム構築を目指す住民主体の多職種協働モデルの開発を目的としている。 3つの地域において、へき地診療所看護師、地域包括支援センターおよび保健センターに勤務する保健師および地域住民にインタビューを行い、地域の特徴を踏まえた看護実践状況を明らかにした。中山間地域に所在するへき地診療所は地域ケア会議を運営し、診療所に勤務する看護師はその地域に住む高齢者の状況を把握している。診療所を受診した患者との会話から他住民の状況を把握し、必要時には診療所医師や地域包括支援センター保健師に情報提供し、協働を図っていた。診療所看護師は介護支援専門員としても兼任しており、利用者からの相談内容の解決にも努めていることから、患者や利用者は診療所看護師を信頼しすぐに診療所看護師に相談するような関係性が形成されていた。そのことから、患者や利用者の困りごとはすぐに診療所看護師が把握することが可能となっていた。患者や利用者の困りごとの解決のために地域ケア会議等を活用し連携を図ることで、困りごとに合わせた対応が可能となっていた。その一方で、地域ケア会議において守秘義務があることを参加メンバーで共通認識として持ち、不必要に情報が拡散されることを防いでいた。地域包括ケアシステムの構築を目指す中で、多職種・多施設等との情報共有は必須であるものの、患者や利用者が不信感を持つことのないよう配慮が不可欠であると捉えていた。 診療所看護師は、患者や利用者とのかかわりから地域全体の状況や課題を把握し、意図的に多職種・多施設との情報共有の機会を設け、積極的な課題解決に努めることが重要と考えられた。
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