2017 Fiscal Year Research-status Report
祖父母の育児サポート力向上に対する「孫育て支援プログラム」の開発
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15K20812
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
藤本 優子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (10636616)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 孫育て / 子育て支援 / 支援プログラム / インストラクショナルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成27~28年度に実施したアンケート調査から「親と親の育児をサポートする祖父母それぞれが持つ孫育てに関するニーズの実態と特徴」を明らかにし、文献レビューの結果と併せて「孫育て支援プログラム」のコンテンツの精錬化と実施方法の検討に着手した。具体的には、次の2点である。 1.親世代と祖父母世代が持つニーズの実態と特徴の明確化 親世代と祖父母世代の両世代間に、孫育てに関する知識・技術(親:祖父母に知っておいてほしい知識・技術、祖父母:孫育てに関わる上で知っておきたい知識・技術)について差があるか統計学的手法を用いて分析した。その結果、「食事やおやつ」「水分補給」「スキンケア」「口の中のケア」「衣服や温度・湿度」「睡眠」「よくある癖や行動」「病気や症状への対処」「事故の対処方法」の9項目で、1歳未満、1~3歳未満、3~4歳未満全ての年齢において親世代と祖父母世代の間で有意差が認められ、親世代の平均点数が祖父母世代の平均点数よりも有意に高いことが判明した。これらの結果と先行文献のレビューより、祖父母の育児時代と育児の手技や知識が変化している内容を含む項目において、親世代が祖父母世代にその知識や技術を知っておいて欲しいと思っていることが明らかになった。また、「沐浴や入浴」「排せつの世話」「孫とのコミュニケーション」「起こりやすい事故と予防」「遊びと成長発達」の5項目は一時期の年齢で有意差が見られ、里帰り出産等のライフスタイルや孫の成長発達に応じてニーズが高まることが考えられた。 2.ニーズの実態と特徴に基づく「孫育て支援プログラム」の開発 1で明らかになったニーズ分析を基に、インストラクショナルデザインの基本的モデルを用いて、プログラムのコンテンツの検討と精錬化および実施方法の検討に着手した。今後、本モデルに従ってプログラムの素案作成を行ない、開発を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的1のアンケート調査の実施と分析の遅れに伴い、その後の計画に遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査の実施と分析に遅れが生じたが、現在、研究目的1の「親と親の育児をサポートする祖父母それぞれが持つ孫育てに関するニーズの実態と特徴を明らかにすること」から研究目的2「ニーズの実態と特徴に基づく孫育て支援プログラムの開発」へと進捗している。 今後は、本研究で用いるインストラクショナルデザインの枠組みに沿ってプログラムの開発(実施方法や教材、評価方法の決定)を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況の遅れにより補助期間を延長したため、当初の研究計画遂行のために使用する予定である。
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