2015 Fiscal Year Research-status Report
療育機関を利用する発達障害児の母親のワーク・ライフ・バランス
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15K20813
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
藤田 彩見 新見公立大学, 看護学部, 助手 (00739998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 母親 / ワーク・ライフ・バランス / 療育機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性の進学率や就業率の増加に伴い、働く母親の就業支援が進む一方、発達障害児の母親に対する就業支援は十分でなく、養育を理由に就業できていない、就業を断念するケースが少なくない。そこで本研究では、療育機関を利用しながら就労継続を可能とするための基礎的資料とするため、療育機関を利用する発達障害児の母親の仕事と育児・家事状況(ワーク・ライフ・バランス)の現状を把握することとした。平成27年度は、母親の育児・家事状況(ライフ)に焦点を当て、母親の育児ストレスと精神的健康度を明らかにするため質問紙調査を実施した。調査対象は、A県内の児童発達支援事業および福祉型児童発達支援センターを利用している母親とした。A県内の療育機関のうち、調査協力が得られた24施設に調査票を735部送付した。主な調査結果は以下の3点である。第1に、母親の就労率(54.5%)は、同年代の女性(69.6%)と比べ低かった。第2に、就労していない母親の育児ストレスは就労している母親と比べ高く、精神的健康度も低かった。第3に、他の一般成人を対象とした調査(2.3%)と比べ、精神的健康度が低い母親が多かった(54.1%)。これらの結果から、発達障害児の母親において、ワークとライフのバランスを保つことが母親の精神的健康度の維持につながることが示唆された。なお、本研究の結果の一部は第4回日本公衆衛生看護学会にてポスター発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度はA県内の療育機関を利用する母親への研究協力依頼および自記式質問紙調査の分析に時間がかかった。また、協力者の都合等により対象者を確保することが困難であったことから予定していたインタビュー調査の開始に遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の計画の遅れを取り戻すため、引き続き対象者確保に努めるとともに、平成28年度中にインタビュー調査を行い、論文へとまとめていく予定である。平成28年度のインタビュー調査から得られた結果を基に平成29年度の調査へと継続していく予定である。
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