2017 Fiscal Year Research-status Report
療育機関を利用する発達障害児の母親のワーク・ライフ・バランス
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15K20813
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
藤田 彩見 新見公立大学, 健康科学部, 助教 (00739998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 幼児 / 母親 / 援助要請 / 被援助不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度に取り組んだことは次の2点である。 1)療育機関を利用する発達障害児の母親を対象とした既存データの分析 療育機関を利用する発達障害児をもつ母親を対象とした既存データの分析を行った。その結果、発達障害をもつ児の母親において、必要度が高いにもかかわらず、専門家に対して援助要請しない、できない者が11.9%いること、援助要請行動の心理抑制的要因として援助要請に伴う不安感(被援助不安)、特に、呼応性不安やプライバシー不安、心理的負債感、汚名性不安があることなどが明らかとなった。これらの結果を踏まえ、母親の精神的健康を保つ上で、母親が適切に援助要請行動をとることができるように、被援助不安に配慮した相談体制の充実を図る必要性が示唆された。なお、本結果の一部は、第76回日本公衆衛生学会および第61回岡山県小児保健協会研究発表会にて発表した。 2)幼児をもつ母親を対象とする質問紙調査の実施 就学前児をもつ母親の援助要請の実態やその関連要因を明らかにするため、新規に質問紙調査を企画・実施した。調査対象地域としたA市の住民基本台帳より、就学前児(3~6歳)をもつ母親627人を抽出し、郵送法による質問紙調査を実施した。調査内容は、母親・幼児の基本属性、発達上の悩みおよび援助要請行動、被援助不安で構成した。また、調査の実施に先立ち、新見公立大学倫理審査委員会を受審し、承認を得た。調査の結果、287人から調査票が回収できた。現在、データ入力作業が完了し、分析作業を進めているところである。今後、発達に課題を抱える児の母親と定型発達児の母親とで、援助要請行動やその関連要因について比較検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属機関の改組等による業務多忙につき、研究を計画通りに遂行することが困難であった。また、研究計画の見直し、再検討を重ねたこと、さらに質問紙調査を行うにあたり、手続き、準備等に時間を要したため、研究の進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者のスーパーバイズを依頼し、分析などの助言を得ていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が芳しくなく、当初予定していた研究期間を延長することになったため。 また使用計画としては、今年度実施した調査に関する発表、投稿等の諸費用に使用する予定である。
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Remarks |
藤田彩見:発達障害児の母親の専門家への援助要請に関する研究.地域ケアリング,19,67-68,2017. 藤田彩見:発達障害幼児をもつ母親の継続的な療育機関利用に関する要因.地域ケアリング,19(9),73-74,2017.
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