2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mother's work-life balance of developmentally disabled children using Treatment and Education Institution
Project/Area Number |
15K20813
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
藤田 彩見 新見公立大学, 健康科学部, 助教 (00739998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 援助要請 / 精神健康 / 母親 / 幼児 / 発達障害児 / 被援助不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、療育機関を利用する発達障害児の母親のワークライフバランス(以下、WLB)の現状および必要な支援のあり方を検討することを目的とした。H27年度は、母親の育児・家事状況(ライフ)に焦点を当て、母親の育児ストレスと精神的健康度を明らかにすることを目的とした。療育機関を利用する幼児の母親を対象に質問紙調査を実施した。調査の結果、母親の就労率は同年代の母親と比べて低く、さらに就労していない母親の育児ストレスは就労している母親と比べて高く、精神的健康度も低い状況が明らかとなった。療育機関を利用する発達障害児の母親の就労継続を可能とするためには、母親が適切に他者に援助を求めることも必要である。そこでH28年度は、発達障害児の母親の援助要請の実態を明らかにすることを目的に、既存データの分析を進めた。分析の結果、育児上の悩みの程度が高いにも関わらず、援助要請をしない、できない母親の存在が明らかとなった。また、悩みの程度が高く援助要請をしない、できない母親群は他の群と比べて育児ストレスが有意に高く、精神的健康が不良傾向にあることが明らかとなった。H29年度も母親の援助要請の実態を明らかにすることを目的に、既存データの分析および新規にA市在住の3~6歳児の母親を対象に質問紙調査を実施した。既存データの分析から、発達障害児の母親の援助要請行動の心理的抑制要因として、援助要請に伴う不安感(被援助不安)、特に呼応性不安やプライバシー不安、心理的負債感、汚名性不安があることが明らかとなった。 H30年度は、就学前児の母親の援助要請の実態やその関連要因を明らかにすることを目的に、前年度に実施した調査の分析を進めた。分析の結果、児の発達障害の有無に関わらず、児の発達上の悩みを抱えながらも専門家へ援助要請をしない、できない母親の存在が明らかとなった。研究成果の公表として、学会発表、論文投稿を行った。
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