2016 Fiscal Year Research-status Report
Construction of health support program based on the social role of 60s
Project/Area Number |
15K20817
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
仲野 宏子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 助教 (70625889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 60歳代 / 就労 / 孫の世話 / 介護 / 役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速な高齢化と人口減少が進む我が国において、団塊の世代が、後期高齢者に突入するにあたり、60歳代での健康づくりの充実や疾病予防や介護が必要となる状況をできる限り遅らせることは、喫緊の課題である。方策として健康日本21第二次では、高齢者に役割をもちながら、社会参加を促すことで健康増進を支援すると示されている。そこで本研究では、60歳代を一つの集団として、就労や家庭内での役割を包括的に捉えて、60歳代の健康支援のあり方への示唆を得ることを目的とする。 平成28年度は、調査協力が得られたA町の60歳代を対象に全数調査を実施し、役割と健康状態について検証した。60歳代の就労、孫の世話、介護別による役割の実態は、就労は男が60歳時は約8割、女4割であるが、孫の世話は、性、年齢による変動が大きく、介護はほぼ一定の割合で推移することが把握された。さらに、退職や家族との死別など大きなライフイベントを3年以内に経験している者が約2割程度であることが把握され、60歳代から70歳代にかけては、自身の役割の変化や大きなライフイベントが重なり、環境への適応が求められるような変化が多い時期であることが把握された。役割別の健康状態では、男女共に就労は、慢性疲労と健康意識が関連し、持病も関連がみられることが把握された。女の就労無し群は、精神面の訴えが高いが、健康づくりを行っている者が就労群より多いことが把握された。孫の世話別では、女は、孫の世話による疲労感の関連は無いことが把握された。介護別では、男女共にイライラの状態が介護群に高いことが明かになった。 今年度の意義は、役割と性別により、健康状態や健康づくりへの取組が異なることが明らかになったことである。平成29年度は、これらの成果を基に、より具体的な分析を行い、60歳代の健康づくりのあり方への提言を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は、全数調査を実施し、その成果を論文として投稿する予定であったが、調査内容の調整、分析に時間を要したため、論文投稿には至っていない。そのため、当初予定より達成度が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度に当たる平成29年度は、平成28年度調査分の分析結果をまとめ、60歳代の健康づくりのあり方への提言を検討する予定である。この実現に向け、統計解析の助言者の指導のもと、提言内容を検討しているところである。
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Causes of Carryover |
調査結果の分析に時間を要し、論文投稿には至らなかっため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に、調査報告書の印刷費、郵送費、データ入力・分析に関する委託費に使用する。関連する成果発表費としても使用する。
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