2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Unified Mathematical Model for Plane Cell Polarity
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15K20835
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋山 正和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (10583908)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 平面内細胞極性 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類他,多くの生物には体表面には“毛”がある.体表面は,細胞が平面的に並ぶことで構成されるが,この際細胞内で毛の方向を決定する分子の配向性がまるで磁石のように極性を持ち,さらにその方向性が揃う現象が起こる.これを平面内細胞極性(PCP)と呼ぶ.この毛の流れは,魚の鱗,鳥類の羽毛の流れとも関係があり,古くから研究されている.哺乳類の毛の配向性は上記以外にも複雑な要因に依って決まっているが,ショウジョウバエの特定の器官では分子の配向性と毛の配向性に一対一の対応があり,かつ外からの観察だけですむ.そこで,山崎正和准教授(秋田大医学専攻)との共同研究を行い,私はハエの体表面の翅毛(しもう)パターンを司る分子の動態を数理モデル化することで,PCPに潜む問題を解明しようとしている. 昨年度までにK. Amonlirdviman氏等の提案した数理モデルに関して,重点的に研究を行い,K. Amonlirdviman氏のモデルをそのまま計算しただけでは,所望のパターンを得ることができないことがわかった.そこで,このままK. Amonlirdviman氏のモデルだけに頼ることはできないと判断し,我々の作成した4変数モデルおよび1変数モデルを用いて,山崎正和准教授とともに,他の組織における適用性を検討した.その結果,背板において,細胞群からなる組織の流れと毛の配向性に関してある相関関係を発見した.論文出版前のため詳細な説明は割愛するが,現行の数理モデルは細胞の変形や移動などは起こらない静的なモデルとなっているが,現モデルをそのまま背板組織に適用すると,配向性のパターンの再現性が思わしくなかった.そこで,組織の外の環境要因を取り込んだ新しい数理モデルを構築した.この結果は現在論文投稿の最終段階に入っており,新しいPCPメカニズムの一端を解明することに繋がる成果である.
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Research Products
(1 results)