2016 Fiscal Year Research-status Report
出生コホート調査における親子のスキンシップ頻度の実態および、その関連要因の解明
Project/Area Number |
15K20844
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
川西 康之 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (30624027)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | スキンシップ / エコチル / コホート研究 / 愛着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は平成28年度についても、概ね当初の計画に沿って順調に経過している。具体的には、スキンシップ頻度に関する調査については(平成28年1月より開始)、平成29年5月16日までに、4397通の質問票を送付し、3240通(解答率73.7%)の回答を得ている。また、平成29年1月に山梨県において開催された日本疫学会学術集会において、「幼児期における母子のスキンシップ頻度尺度の開発および、スキンシップ頻度に影響を与える周産期要因の検討」と題してポスター発表を行った。 発表の概要について説明する。調査は、環境省エコチル調査における北海道ユニットセンター参加者の内、子供が3.5~4歳を迎えている保護者を対象として、先行研究を基に作成した24項目(5件法;1まったくしない~5いつもする)から成る自記式質問表調査を行った。データ入力の完了した951人を対象として、探索的因子分析を行い、その信頼性を検証した。因子分析は主因子法プロマックス回転により行い、4因子16項目を抽出した。累積寄与率は46.0%で、4因子は「愛情表出的かかわり」、「文化的かかわり」、「アクティブなかかわり」、「見つめ合い」と命名し、各因子におけるCronbach α係数はα=0.66~0.79、全体はα=0.83であった。また得られたスキンシップ頻度スコア16項目(16-80点)を目的変数とし、エコチル調査の出産後一ヶ月までに得られている周産期データ27項目を説明変数として、重回帰分析を行い、結果スキンシップスコアに影響を与える産後一ヶ月までの要因として、出産歴(標準化係数β=-0.12)および、非妊時BMI、近しい人と連絡を取る頻度、相談できる親族や友人の数(各β=0.08, 0.08, 0.12)において、それぞれ有意な関連を認めた。 以上、調査はおおむね順調に実施されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に調査実施時期を、対象者の年齢が3歳から3歳6ヶ月の時期に変更した影響で、若干の遅れが出たが、平成28年度は概ね順調に推移した。また、調査票の因子分析および、スキンシップ頻度に影響を与える周産期要因の解明が終了し、概ね順調に推移していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度についても、引き続き3歳6ヶ月時点におけるスキンシップに関する質問票調査を継続していく。また、エコチル全体調査における1歳までの子供の調査データ固定が行われることと合わせ、スキンシップ頻度に影響を及ぼす1歳までの要因を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
平成27年度において、調査対象者の年齢を3歳から3歳半に変更したことを受けて、27年度および28年度に送付する人数に変更が生じた影響のため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度においても、スキンシップに関する調査票を引き続き送付していく。また、データ入力の人数を増員し、調査結果を公表するためのホームページも作成する。
|
Research Products
(1 results)