2016 Fiscal Year Research-status Report
有機アニオントランスポーター解析に立脚した大量肝切除法の開発
Project/Area Number |
15K20845
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木村 憲央 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60436029)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 肝再生 / 遺伝子 / マクロアレイ / 感染性肝不全 / 肝切除 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,肝切除後感染性肝不全の病態解明である.具体的には肝不全時には胆汁酸代謝異常や高ビリルビン血症などの有機アニオン代謝異常がみられるため,肝組織の存在する有機アニオントランスポーターに着目し,それらの肝不全時での発現推移を明らかにすることである.ラット肝切除後にエンドトキシンであるlipopolusaccharide(LPS)を投与し,肝切除後感染性肝不全モデルを作成し,経時的に肝組織を摘出する.マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析後に,有機アニオントランスポーターとそれに関わる遺伝子に注目し,RT-PCR法を用いて遺伝子変動について解析する.更にそれらの遺伝子が実際に機能しているかを,Western blot法にてタンパク発現解析を施行し,免疫染色にて局在分布を明らかにする.最終的にフィブラート製剤投与にて,有機アニオントランスポーター発現調整と肝不全の軽減効果を評価できれば,肝不全治療への新規療法の基盤となる可能性がある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度当初は,平成27年度のラットLPS誘導肝切除不全モデルの作成に時間がかかったことにより生じた遅れについて取り戻し,今年度中に研究の完了と見込みであった。マイクロアレイ解析を行い,遺伝子発現量の解析に着手し研究を遂行してきたが,交付申請書提出時の研究進捗予定より早めることができず,昨年度の遅れを取り戻すことができなかった.このあと,RT-PCR法による遺伝子定量解析,Western blot法による蛋白定量解析,免疫染色による病理学的解析を施行する必要がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究はやや遅れているものの,平成29年度初旬にはRT-PCR解析,Western blot解析,免疫染色による病理学的解析を終了できる見込みであり,研究実施計画に則って本研究を遂行できると考えている.
|
Causes of Carryover |
研究がやや遅れており,マイクロアレイ解析までは行ったが,平成28年度に施行予定であった,RT-PCR法,Western blot法,免役染色による病理学的解析などを施行できず,物品費として使用できなかった.また,研究が未完成であったため,国際学会での研究成果発表や論文投稿が未施行であり,予定経費を使用することができなかった.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度初旬には,RT-PCR法,Western blot法,免役染色による病理学的解析などを施行予定であり,必要試薬の購入に経費を使用する予定である.また,中旬には研究成果を国際学会で発表予定であり,旅費として使用する予定である.
|