2016 Fiscal Year Research-status Report
歯の喪失と口腔機能の低下が健康寿命に及ぼす影響に関する疫学的検討
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15K20847
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
乾 明成 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (20746391)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サルコペニア / 嚥下 / 歯 / 口腔 / 歩行速度 / 咬合 / 口腔乾燥 / 日常生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1:2013年度岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診の参加者1054名のうち、40歳以上の552人(男性:198人、女性:354人)を対象とした。全身骨格筋肉量(SMM)、10m歩行速度、握力を従属変数とし、現在歯数、年齢、BMI、糖尿病・高血圧の有無、血清アルブミン濃度、喫煙習慣、飲酒習慣、配偶者の有無、教育年数を説明変数として、重回帰分析により解析を行った。咬合支持域とSMM、10m歩行速度、握力との関係を共分散分析により交絡因子の影響を調整して分析した。重回帰分析では、現在歯数は10m歩行速度(女性 p<0.01)及びSMM(男性 p<0.05)と有意な関連を示した。共分散分析では10m歩行速度では咬合支持域(女性のクラスAとC間 p<0.05)と相関していた。歩行速度というQOLに大きく影響する機能の低下がみられた点で歯数の喪失を予防することは、重要性がより大きいと考えられた。本研究により高齢者のみではなく中年期からも歯数減少がSMMに影響を与えることが明らかとなった。 研究2:2015年度 岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診の参加者50歳以上80歳未満の532名(男性185名、女性347名)を対象に、嚥下障害と口腔機能の関連を検討した。嚥下障害の定義は、質問調査または反復唾液嚥下テストに該当した者とした。ロジスティック回帰分析を、従属変数として嚥下障害の有無、独立変数として、年齢、生活習慣、既往歴、教育歴、口渇、MMSE、現在歯数、ALBを投入して行った。先行研究では地域住民の嚥下障害を13.8から23.4% と報告されており、本研究は20.5%と同様の結果であった。ロジスティック回帰分析の結果では口渇、年齢、現在歯数において有意な関連がみられた。地域住民の嚥下障害では、口腔乾燥・現在歯数への対応が重要である可能性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究成果として、査読およびインパクトファクターを有する英語論文を2編出版することができた。歩行と嚥下という日常生活と生命維持に直結する要因が現在歯数と関連することを示せたため、目標として全体の7割は達していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのデータを用いて、咀嚼、口腔乾燥感、う蝕、歯周疾患、顎関節等が全身の健康・疾病や生活習慣に対して与える影響についても検討することを予定している。
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Causes of Carryover |
現在、英語論文を投稿中である。査読に対する返事を作成する際の英文校正における費用を目的としていた。査読がまだ帰ってこないため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
査読結果に対するコメントの提出や本文の訂正を行う際に使用する予定である。
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Remarks |
【メディア情報】筋肉量、歩行 歯と関連 弘大 中高年552人を分析-岩木健康増進プロジェクトの健康データを活用した弘前大学の研究成果について、東奥日報11/7で紹介されました。
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[Journal Article] Oral conditions and dysphagia in Japanese, community-dwelling middle- and older- aged adults, independent in daily living2017
Author(s)
Inui A, Takahashi I, Kurauchi S, Soma Y, Oyama T, Tamura Y, Noguchi T, Murashita K, Nakaji S, Kobayashi W
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Journal Title
Clinical Interventions in Aging
Volume: 12
Pages: 515-521
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 歯周疾患と生活習慣の 疫学的研究2016
Author(s)
乾 明成, 高橋一平, 倉内静香,沢田かほり,相馬優樹, 徳田糸代 駒目 瞳, 梅田 孝, 中路重之, 小林 恒
Organizer
第75回日本公衆衛生学会
Place of Presentation
グランフロント大阪(大阪府・大阪市)
Year and Date
2016-10-26 – 2016-10-28
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[Presentation] 地域住民に おける嚥下障害の検討-口腔、肺機能、生活習 慣、既往歴を考慮して-.2016
Author(s)
乾 明成, 髙橋一平, 田村好拡, 小山俊朗, 長内俊之, 佐竹杏奈, 野口貴雄, 石崎 博, 倉内静香, 沢田かほり, 徳田糸代, 相馬優樹, 村下公一, 中路重之, 小林 恒
Organizer
第26回体力・栄養・免疫学会大会
Place of Presentation
長崎大学文京キャンパス(長崎市)
Year and Date
2016-08-27 – 2016-08-28
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[Presentation] 青森県弘前市の地域住民における 歯周疾患と口腔機能の加齢変化に 関する実態調査2016
Author(s)
乾 明成, 高橋一平, 倉内静香, 沢田かほり, 徳田糸代, 相馬優樹, 田村好拡, 小山俊朗, 長内俊之, 佐竹杏奈, 野口貴雄, 村下公一, 中路重之, 小林 恒
Organizer
第65回東北公衆衛生学会
Place of Presentation
山形テルサ(山形県・山形市)
Year and Date
2016-07-29 – 2016-07-29
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