2017 Fiscal Year Annual Research Report
The assessment of the effectiveness and safety of seasonal influenza vaccine among Japanese pregnant women and children
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15K20862
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 拓 東北大学, 大学病院, 准教授 (80612019)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 医薬品情報・安全性学 / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
医薬品医療機器等法(旧薬事法)および予防接種法に基づいて報告された副作用症例を蓄積した「医薬品副作用データベース(JADER)」が、2012年より、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から公表されたため、2004年4月以降に報告された症例から、患者の年代が10歳未満または新生児・乳児である症例をJADERから抽出し、被疑薬がワクチンの場合をワクチン症例と分類し、症例の転帰・報告頻度の高い被疑薬の一般名・副作用症状等を集計した。JADERから抽出された症例は13768件であり、そのうちワクチン症例は2864件であった。転帰として回復・軽快に至った症例はワクチン症例で77.8%、死亡に至った症例はワクチン症例で3.3%であった。ワクチン症例のうち、被疑薬の一般名として、インフルエンザHAワクチンは16.8%、A型インフルエンザHAワクチン(H1N1株)は2.1%であった。インフルエンザHAワクチン症例は2005年の29.5%をピークに、徐々に減少傾向を示した。副作用症状としては、ワクチン症例では発熱が最も多く(11.6%)、次いで痙攣(4.3%)、熱性痙攣(3.4%)の順であった。被疑薬と症状の組み合わせとしては、インフルエンザHAワクチンによる発熱が2.1%と最も多く、次いで、インフルエンザHAワクチンによるアナフィラキシーショックおよび注射部位腫脹がそれぞれ1.5%であった。JADERを用いて、本邦の小児におけるワクチン使用に伴う副反応の発生状況およびその特徴を明らかにした。今後、JADERを用いて小児インフルエンザワクチン症例におけるシグナル検出の試みや、海外の同様のデータベースとの比較によって、小児インフルエンザワクチンの安全性情報の充実に貢献することが可能である。
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