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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Research on development of intellectual history and historical significance in Studies of Toju

Research Project

Project/Area Number 15K20866
Research InstitutionHigashi Nippon International University

Principal Investigator

高橋 恭寛  東日本国際大学, 東洋思想研究所, 専門研究員 (70708031)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords中江藤樹 / 日本陽明学 / 藤樹学派 / 儒学思想 / 教育思想
Outline of Annual Research Achievements

本年度は最終年度ということもあり、これまでの研究成果を踏まえて藤樹学派の思想的独自性を描き出すことを指標として淵岡山とその弟子たちにおける「藤樹の学問」理解と彼等の思想分析へと立ち戻った。中江藤樹の存在は全国的に名が知られている一方で「藤樹学」の学派は時代を下るごとにその存在感が薄らいでゆく。淵岡山を旅立った様々な弟子が「藤樹学」を唱えるなか、何故そのような方向へと収斂していったのかについて、学祖中江藤樹のことも振り返りつつ分析していった。
これまで本格的に分析されてこなかった弟子たちが、自らの学問をどのように自覚していたのかを洗い直した。すなわち「藤樹学」としての独自性について、淵岡山よりも更に時代の下った弟子たちは、藤樹が課題としていた「いかにして学問に着手するのか」という〈教示〉の方法論に意識を向けるというよりも、その思想内容としての「良知」説や「心学」的な側面に注目をしていた。また、中江藤樹が世間的には「王学」(陽明学)の紹介者として評価されながらも、必ずしも当事者たる藤樹の弟子たちはそのような評価を肯定的に受けとめてはいなかった。むしろ「先師藤樹」の学問を受け継いだ「藤樹学」という学派意識を自覚的に有していた。
「藤樹学」は、小川村藤樹書院に残された参拝録から全国的な広がりであったことが分かる。その広がりは、藤樹直弟子淵岡山の力が大きい。それは藤樹の思想性を継承しつつも、同時にそのアプローチを己の一身における修め方を重視する以上に実際生活のなかに落とし込み、他者との交流における心の在り方として藤樹学の活用を人々に説いていた。この説き方の展開によってただ自らを修める学問だった藤樹の教えを誰においても日々のなかで活用出来る学問として広がっていったことを明らかにした。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 淵岡山における〈藤樹の学問〉の展開2018

    • Author(s)
      高橋恭寛
    • Journal Title

      研究東洋

      Volume: 8 Pages: 72,85

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 藤樹学派における内心の問題2017

    • Author(s)
      高橋恭寛
    • Organizer
      日本経済思想史学会
  • [Presentation] 中江藤樹の弟子たちによる「藤樹学」2017

    • Author(s)
      高橋恭寛
    • Organizer
      国際日本学フォーラム研究発表会(国際学会・西安外国語大学)
    • Int'l Joint Research
  • [Book] 「論語」とリーダーシップ(付論2「中江藤樹から見た人間力」)2017

    • Author(s)
      緑川浩司 著者代表
    • Total Pages
      207(180-207)
    • Publisher
      財界21
    • ISBN
      978-4-901554-26-8

URL: 

Published: 2018-12-17  

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