2015 Fiscal Year Research-status Report
シェーグレン症候群における新規病因CD4+ T細胞の解析とその制御
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15K20882
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小賀 麻菜 (飯塚麻菜) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80734821)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / CD4+ T細胞 / RORγt |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群(Sjogren’s syndrome; SS) の発症に関わるRORγtに焦点を当て、RORγt発現により惹起される病因性CD4+ T細胞の病態での役割および機能について、明らかにする。 SS類似の唾液腺炎および涙腺炎を自然発症するT細胞特異的RORγt過剰発現マウス (Tg) を用いて、CD4+ T細胞の解析を行った。RORγt Tgマウスにおける病態の発症にはCD4+ T細胞が必須であることをこれまでに報告している。 (1) 病変局所のCD4+ T細胞を解析した結果、TCR刺激によりIL-17A、IL-21の高産生を認めた。そこで、IL-17Aの発症への寄与について明らかにするため、IL-17A-/-xRORγt Tgマウスを作成し、病態解析を行った。その結果、IL-17A-/-xRORγt Tgマウスにおいても自然発症の唾液腺炎、涙腺炎が観察され、IL-17A欠損による病態の抑制は認められなかった。IL-17A非依存的な、病態発症機序の可能性が示唆された。 (2) 病変局所のCD4+ T細胞における、TCR鎖のレパトア解析を行った。その結果、TCRβ鎖のレパトアに収束が認められ、特定のTCRレパトアを有する細胞が唾液腺炎発症に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SS様病態の発症におけるIL-17Aの関与について、明らかにすることができた。さらに、唾液腺浸潤細胞のTCR鎖解析まで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
唾液腺に浸潤するCD4+ T細胞のTCR鎖解析をより詳細に行う。CDR3 領域のシークエンスを行い、クローナリティーについて確認する。収束が認められたTCRレパトアを発現するCD4+ T細胞の病因性について検討する。
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