2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding on photochemical properties of exciton polariton
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15K20892
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
江口 美陽 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (10520778)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 強結合 / コヒーレント / 局在型表面プラズモン / 色素分子 / 層状ケイ酸塩 / ナノ構造制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
強結合は元々ポラリトン―ポラリトン間で観察されてきたが、1998年以降、色素の励起子―LSPR 間で観察されるようになってきた。これらの研究において励起子は「双極子」として捉えられており、大きい双極子を持つJ会合体色素が利用されてきた。一方で、J会合体の会合数や構造を一意的に決定することは難しく、観察は巨視的なものとならざるを得なかった。これに対し我々は、色素の単量体を利用した強結合状態の形成に成功した。単量体色素と金属ナノ粒子の複合体は、層状ケイ酸塩を介することで調製した。層状ケイ酸塩は厚み1nmであり、カチオン交換性と疎水性を示す表面を有するという特徴を利用したものである。単量体色素にはカチオン性ポルフィリン(TMPyP,TMAP)を、金属ナノ粒子としてはディスク型銀ナノ粒子を採用した。両者の消失スペクトルピーク位置が近接しており、共鳴が起きやすいと予想されること、層状ケイ酸塩表面でこれらのポルフィリン分子の平行吸着および単量体的吸着が保証されていること、さらにポルフィリンのこうした吸着構造から、ディスク型ナノ粒子を採用することで高い対称性を保つことができる、というのがこれらの選択の根拠である。層状ケイ酸塩で表面修飾された銀ナノ粒子に対し、中心金属の異なる4種のポルフィリンを吸着させ、その消失スペクトルを観察すると、detuningの小さいポルフィリンとの複合体でピーク分裂を確認することができた。最終年度にはこの複合体の発光特性を観察した。
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Research Products
(2 results)