2018 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction between micro-level firm behavior and macro-level business cycles
Project/Area Number |
15K20918
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
砂川 武貴 神戸大学, 社会システムイノベーションセンター, 特命准教授 (10747223)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 異質的主体モデル / 数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の2本の論文を作成し、英文査読雑誌に投稿した。 "Applying Explicit Aggregation Algorithm to Heterogeneous Macro Models"では、異質的主体モデルの効率的な解法である、Explicit Aggregation(XPA)アルゴリズム(Den Haan and Rendahl 2010)を、異質的企業のモデルや、現実のマイクロデータと整合的な異質的家計のモデルに適用した。一般的なKrusell-Smithアルゴリズムに比べて、XPAアルゴリズムはこれらのモデルを20~100倍の速さでコンピュータ上で数値的に解くことができ、モデルのパラメータ推定にも有用であると思われる。 "Is Household Heterogeneity Important for Business Cycles?"(joint with Youngsoo Jang, Minchul Yum)では、労働供給が内生的な異質的家計モデル(Chang and Kim 2007; Takahashi 2014)に、政府による逆累進的な所得移転を導入して、景気循環統計量の分析を行った。具体的には、米国における平均的な労働生産性の景気循環との弱い相関を、このモデルは説明できる。これは、生産性の低い労働者の労働供給が景気循環に対してより感応的に反応することによる。また、こうしたメカニズムがマイクロデータによっても実証的にサポートされることを示した。 これらの論文を作成する過程で、異質的主体モデルの数値解法や関連研究に対する理解が大きく深まった。このことは、今後さらに研究を継続、発展させていく上で大変有意義であった。
|
Research Products
(9 results)