2015 Fiscal Year Research-status Report
超ロングリードを用いた包括的全ゲノム配列解析の確立と神経疾患解明への応用
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15K20941
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石浦 浩之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40632849)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 全ゲノム配列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、全ゲノム配列解析を中心に、現在まで解析が困難であった構造変異やリピート伸長変異を含めた、包括的なゲノム解析を行うと共に、神経変性疾患の原因遺伝子を探索するというものである。初年度である本年は、まず1例について全ゲノム配列解析を行った。具体的には、HiSeq2500のrapid modeを用いて、TruSeq PCR free Sample prep kitを用いてライブラリ調整を行い、150塩基のペアエンド解析を行った。2枚のフローセルを用いて解析を行うことで、約1143万のリードが得られた。BWAを用いて参照配列にアラインメントを行い、93.6%のリードをマップすることが可能であった。Uniqueにアラインメントされないリードを除いたところ、85.3%のリードがマップされ、平均カバレッジ47Xの良質なデータを得ることができた。本データについては、SAMtoolsを用いてベースコールを行ったところ、約379万個の一塩基置換と約6万7千個の欠失・挿入変異が認められた。 また、homozygosity haplotype法を用いて、共通ハプロタイプを検出するプログラムを作成し、90万SNP(一塩基多型)に対して対応可能であることを確認した。今後、本プログラムを全ゲノム配列解析のデータに応用し、超高密度SNP情報を用いたハプロタイプ解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PacBioRSIIによるロングリードシーケンスを計画していたが、全ゲノム配列解析の結果から興味深いデータが得られたため、そちらの分析を優先させたことがあり、ロングリードシーケンスについては未施行となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに情報解析を行い、疾患の原因変異を究明すると共に、全ゲノム配列解析の解析パイプラインを整備する。
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Causes of Carryover |
全ゲノム配列解析のデータ解析の中から、興味深いデータが得られたため、確認作業などを優先すべく、超ロングリード解析については次年度に持ち越す予定とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度、超ロングリード解析を行う予定としているが、研究目的としている家系の原因遺伝子が同定された場合には、そちらの研究を進めることを優先する可能性がある。
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