2015 Fiscal Year Research-status Report
筋の協同発揮に基づくヒトの起立から歩行へ遷移する運動メカニズムの解明
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15K20956
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安 ち 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70747873)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋シナジー / 起立動作 / 歩行動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは通常単一の動作のみではなく,巧みに動作を遷移させることで日常生活動作を達成する.ヒトの運動機能の改善のためには,単一の運動に関するメカニズムの解明を行うだけでは不十分で,ヒトがどのようにして遷移動作のような複雑な運動を達成しているかを理解する必要がある.ヒトは運動時には関節の自由度よりも多い冗長な自由度の筋を制御する必要があり,そのメカニズムはわかっていなかった.これに対して従来研究では筋シナジー仮説と呼ばれる,ヒトは個別に筋を制御しているのではなく,まとまりを持って活動する筋群を制御するという仮説が提唱されており,ヒト起立動作や歩行動作では4つや5つのモジュールが存在することが示唆されている.しかしながら,前述のように起立から歩行へと遷移するような複雑な動作では未だにどのような筋協調が存在するのか知られていない. 本年度では実際に起立から歩行へと遷移する運動を計測するための実験系を構築し,健常若年者を対象に運動計測実験を行ってきた.その結果,起立動作と歩行動作の9つのモジュールを用いることで,起立から歩行動作中の筋活動の90%が説明できることが明らかとなった.また一方でその空間パターンは従来のそれとは大きく異なり,起立動作の筋シナジーは足を持ち上げる,運動に必要な運動量を生成するなどの他の役割を担うことが新たに解明された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の計画通り,計測実験のための実験系を構築し,計測実験を行うことができた.その結果起立から歩行へと遷移する動作を説明するための十分な仮説を得ることができ,国際会議ではHonorable Mentionを授与されている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は筋骨格モデルの構築および,それを用いた順動力学計算を行う.今までに行ってきた計測実験では,運動を説明するための仮説の形成は行えるが,それが実際に十分条件を満たすかどうかは分からない.そのため,実際に仮説を元にした運動モデルを作成することで,仮説の検証を行う.
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Causes of Carryover |
平成27年度は計測実験のための実験系を構築するための予算を主に申請していた.しかしながら本研究者の所属する研究室において他予算にて共同で使用可能な設備を購入することができ,一部の物品費を購入する必要がなくなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は継続して平成27年度にて実施した計測実験を行う.そのための計測に必要な消耗品の購入や被験者の謝金に使用する.また現在構築中の筋骨格モデルを用いたシミュレータを用いた計算に必要であれば,別途計算機を購入する予定である.
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Research Products
(4 results)