2015 Fiscal Year Research-status Report
がん領域の再生医療等製品の条件及び期限付き承認に求められる臨床成績の検討
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15K20967
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 純正 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40579710)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 薬事規制 / 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、再生医療等製品を含む血液悪性腫瘍領域における日米欧の抗がん剤の承認状況(効能効果、承認日、ピボタル試験の主要評価項目、比較試験の有無、ピボタル試験参加国、製薬企業在籍国等)を調べ、その比較結果をまとめたところ、米国が日欧と比較して最も積極的に第2相試験のみでの承認を行っていること、欧州で先に承認されている品目は全て比較試験結果に基づいていること等を明らかにした。つまり、国際共同治験の実施が日米欧同時承認申請につながらない可能性があり、ドラッグラグにおける申請ラグは必ずしも企業の開発計画のみに依存するわけではなく、第2相試験のみで承認申請を許容するかどうかという各規制当局の判断の差異にも依存することを客観的に示した。この研究結果はBritish Journal of Haematologyにoriginal research articleとして掲載された。また、この研究成果をレギュラトリーサイエンス学会学術大会で口演発表し、優秀発表賞を受賞した。 また、次のステップとして、血液腫瘍に限らず、全領域の抗がん剤に対象を広げて国内の細かい承認プロセスについて解析した結果をまとめた。この研究成果については、日本血液学会学術集会、日本癌学会学術総会といった国内学会で発表することができた。 また、再生医療等製品を含む、がん免疫療法という切り口で国内の承認状況や薬事規制についてとりまとめて、米国のがん免疫学会であるSITC(Society for Immunotherapy of Cancer)2015 annual meetingで招待講演を行うこともできた。 さらに、最新のがん治療開発の国際動向について、米国臨床腫瘍学会に参加して情報収集、調査を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度ながら、既に一つの研究成果をとりまとめ、British Journal of Haematologyにoriginal research articleとして掲載することができ、さらに国内学会発表で優秀発表賞を受賞できた。 また、次の研究成果についてもとりまとめつつあり、全領域の抗がん剤における国内の細かい承認プロセスについて解析した結果を、国内学会で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
抗がん剤及び再生医療等製品について、当初の研究実施計画にも記載したように、日米欧の既承認品の詳細な解析を行うだけでなく、企業治験として開発中の品目についても臨床試験データベースを利用して調査し、日米欧の比較解析を行う。
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Causes of Carryover |
海外の学会参加による情報収集・調査1件について、平成27年度から平成28年度に変更したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度中に実施する、海外の学会参加による情報収集・調査に使用する。
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Research Products
(15 results)