2016 Fiscal Year Research-status Report
ストレス反応を数値化した静脈内鎮静法の新しいモニタリングシステムの開発
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15K20972
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
大上 沙央理 明海大学, 歯学部, 講師 (80451962)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神性発汗量 / 体動 / BIS値 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、データを収集中である。精神性発汗量測定機器の故障やソフトのバージョン変更の対応によりデータを収集できない期間があった。故障に関しては患者の体動による損傷が原因であった。計測中の故障による研究の中断を回避するための発汗計の購入や、装置の装着方法の工夫を検討中である。麻酔管理中の精神性発汗量の変動は個体差が大きく、BIS値との相関やストレス反応を数値化するためには現時点ではデータ量が不十分なため、データの収集および解析を継続して行っている。 現時点のデータ解析により明らかになっていることは ①麻酔管理中に精神性発汗量が大きく変動する症例に関しては精神性発汗量の変動に伴って、体動がみられることが明らかとなった。その結果より、精神性発汗量の測定が治療中の体動の予測モニターとして有用である可能性が示唆された。精神性発汗量の体動予測モニターの可能性に関する研究成果に関して日本臨床麻酔学会第36回大会で報告を行った。 ②麻酔管理中に精神性発汗量が低値で安定した症例に関しては体動がみられず、前向性健忘効果がみられ、治療に対する満足度が高い傾向がみられた。高値で安定している場合においては、体動がみられず治療に対する満足度も得られたが治療中の前向性健忘効果は乏しい傾向がみられた。症例数が少ないため統計学的な検討はさらなるデータ収集が必要な状況である。 ③BIS値、バイタルサイン(血圧・脈拍)と精神性発汗量の変動に関しては、相関がみられる症例とみられない症例があり、相関の有無に関してはさらなるデータ収集による検討が必要な状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精神性発汗量測定機器の故障やソフトのバージョン変更の対応によりデータを収集できない期間があった。また、対象となる被験者数が現時点で不十分のため当初の計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
精神性発汗量測定機器故障によるトラブルを回避するために、日頃より機器作動チェックおよび装置装着方法の工夫を行う予定である。今後1年間において必要な被験者数において測定を行いデータを解析し、精神性発汗量とBIS値の相関の有無および体動の予測モニターとしての可能性に関して統計学的な検討を加えて学会発表したいと考えている。 精神性発汗量の変動に関しては、個人間だけではなく、個人内変動にも注目したいと考えている。歯科治療の処置内容や注水の有無、気道閉塞の有無、麻酔深度が精神性発汗量にどのような影響を与えているのか、鎮静深度の指標として有用かどうかに関しても検討を加えたいと考えている。
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Causes of Carryover |
精神性発汗量測定機器の故障やソフトのバージョン変更の対応によりデータを収集できない期間があった。また、対象となる被験者数が現時点で不十分で、当初の計画よりも遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
精神性発汗量測定機器および消耗品の購入に使用する予定である。データ解析後研究成果を学会発表し、また成果を学術誌に投稿するための費用として使用する計画である。
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