2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the new monitoring system to quantify the stress level under intravenous sedation
Project/Area Number |
15K20972
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
大上 沙央理 明海大学, 歯学部, 講師 (80451962)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神性発汗量 / 静脈内鎮静法 / ストレス反応 / BIS / 麻酔深度 |
Outline of Annual Research Achievements |
静脈内鎮静法下の歯科治療を希望する患者は治療への恐怖心や異常絞扼反射を有しており、治療中に大きなストレスを感じることやつらい記憶が残ることを望まないことが多いため、健忘効果を有するミダゾラムやプロポフォールを併用した麻酔管理を行う。適切な麻酔深度を客観的に評価することは困難であるが、潜時の短い精神性発汗量測定により持続的にストレス評価を行い、麻酔深度を早期に予測することを目的として研究を行った。 精神性発汗量は、麻酔管理中にほぼ変動がない症例と変動がある症例があり、変動の有無に個人差がみられた。精神性発汗量が変動する際の処置内容は様々で、必ずしも痛みにより変動が起きるわけではなく印象や開口器の挿入、咬合調整など低侵襲と予測される処置からへーベル操作など侵襲が大きいものまで様々であった。 対象の中には興奮状態となり体動が激しく持続的にみられる患者に対して麻酔深度を調整することが難しい症例が多くみられたが、激しい体動がみられても術後に記憶がない場合と、体動がなくても部分的にはっきりと記憶が残っている患者がいることに気が付いた。また処置内容を術後もはっきりと覚えている患者に共通して麻酔管理中に精神性発汗量の変動があることに偶然気が付いた。検討を重ねた結果患者の健忘効果を起こすために必要な麻酔薬の脳内濃度を下回った状態で精神性発汗量の変動が起こった場合は、記憶として残る可能性が考えられた。ミダゾラム血中濃度(予測値)が約0.04μg/ml以下の場合プロポフォール濃度に関わらず術中の記憶が残る可能性があり、またミダゾラム+プロポフォールを併用した浅鎮静( ミダゾラム濃度:0.04μg/ml以下 )状態では発汗量の増加は健忘効果の消失(術中の記憶)を予想できる可能性が示唆された。一方で体動やBIS値は術中記憶の指標にはならないことが明らかになった。
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