2015 Fiscal Year Research-status Report
QST・CPMを用いたあたらしい慢性疼痛患者の病態評価法の開発
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15K20975
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
大野 由夏 明海大学, 歯学部, 准教授 (70451961)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 定量的感覚試験(QST) / 条件刺激性疼痛調節(CPM) / 冷温パルス刺激 / 逆説的温感覚(冷温錯感覚) |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性・急性疼痛、感覚異常を定量的に評価することを目的とした定量的感覚試験法(Quantitative Sensory Testing:QST)のうち、冷知覚、温知覚、温冷覚弁別閾値、逆説的温感覚、冷痛覚、温痛覚を測定するため、ペルチェ素子を利用した定量的熱刺激装置(quantitative thermal stimulator device:QTSD)を開発した。開発したQTSDは冷温パルス刺激(cold-heat pulse stimulation:CHPS)投与が可能となるよう改善した。 健康被験者を対象に、開発したQTSDを用いて冷知覚、温知覚、温冷覚弁別閾値、逆説的温感覚、冷痛覚、温痛覚を測定したところ、測定が可能であった。 また、健康被験者を対象に圧痛覚閾値を指標として条件刺激性疼痛調節(Conditioned Pain Modulation:CPM)を評価した。その際、CPM誘発のための条件刺激として、QTSDを用いてVAS=70/100のCHPSを前腕皮膚に与えた。テスト刺激として、反対側前腕の圧痛覚閾値 (pressure pain thresholds:PPT)を実験開始時、CS中、CS終了10分後、同20分後に測定し、実験開始時に対する各時点のPPTの比よりCPMを評価した さらに、CHPSの主観的評価(冷覚、温覚、痛覚)とCPM効果の関連を検討した。 QTSDを用いたCHPSにより、条件刺激中にCPM効果を認めた。一部の被験者でCHPSに対する逆説的温感覚(冷温錯感覚)や冷温弁別不能(異常感覚)を認めた。CPMの大きさとQST評価の結果を分析したところ、逆説的温感覚(冷温錯感覚)や冷温弁別不能(異常感覚)の有無とCPM効果に負の相関があることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QSTのうち、冷知覚、温知覚、温冷覚弁別閾値、逆説的温感覚、冷痛覚、温痛覚を測定するための定量的熱刺激装置を開発し、健康被験者を対象に冷知覚、温知覚、温冷覚弁別閾値、逆説的温感覚、冷痛覚、温痛覚を測定し、圧痛覚閾値を指標としてCPMを評価した。 QSTとCPM測定を用いた病態評価法の開発に向け各結果を検討したところ、逆説的温感覚(冷温錯感覚)の有無と内因性疼痛抑制機構の大きさに相関があることを見いだした。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性疼痛患者および健常ヒトボランティアを対象に研究を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
QSTの13項目のうち、冷知覚、温知覚、温冷覚弁別閾値、逆説的温感覚、冷痛覚、温痛覚について詳細な検討を行っていたため、その他のパラメータの測定に至らず、計上していた経費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
冷知覚、温知覚、温冷覚弁別閾値、逆説的温感覚、冷痛覚、温痛覚以外のパラメータについて、データ収集を続ける。 そのために未使用額を用い、QST・CPMを用いたあたらしい慢性疼痛患者の病態評価法の開発を目指す。
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Research Products
(4 results)