2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pathological contribution of RA risk loci to the disease progression and the therapeutic response
Project/Area Number |
15K20976
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細矢 匡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60737104)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 疾患感受性遺伝子 / SNP機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)患者における自然経過や治療反応性が、疾患感受性遺伝子の有無によって影響されるという仮説に基づき、Genome-Wide Association Study(GWAS)で同定されたRA関連Single Nucleotide Polymorphism(SNP)の生理的な意義について解析した。滑膜線維芽細胞の過剰な増殖がRAに特徴的な病態であるため、本研究では細胞増殖の制御因子であるCyclin dependent kinase(CDK) 6の近傍に同定されたSNPに注目した。 これまでにRA患者とCDK6のSNPとの関連については、rs4272とrs42041の二つのSNPで報告がある。rs42041のリスクアレル保持者は骨破壊の進行が早く、shared epitope陰性かつ抗CCP抗体陽性RA患者に多いことが知られていたが、自身はintron領域のSNPであり、生理的意義は不明であった。rs4272はCDK6の 3'UTR領域に存在し、両SNPは10kbpと近接しているため、連鎖不平衡の関係にあると推測された。 Hapregを用いたハプロタイプ解析により、欧米人においては両SNPは挙動をともにするため、両SNPもしくはその近傍に真のcausative SNPが存在し、CDK6の発現量の変化に寄与してRAの臨床表現型の違いをもたらしていると予想した。しかし、アジア人においては両SNPともリスクアリルの頻度が低く、ハプロタイプ解析でも両SNPが独立して挙動することが明らかとなった。 1000genome projectのデータを用いて欧米人のB細胞におけるCDK6遺伝子発現のQTL解析を行ったが、両SNPとも関連は見られなかった。しかし、細胞種ごとに異なるエピゲノム修飾を受けている可能性が高く、他の細胞種(特に滑膜線維芽細胞など)での解析が今後の課題である。
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