2015 Fiscal Year Research-status Report
農林系・廃棄物系バイオマスを用いた汚染土壌からの放射性セシウム新規分離技術の開発
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15K20987
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 秀治 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 産学官連携研究員 (50625960)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セシウム / 汚染土壌 / 減容化 / バイオマス / 亜臨界水 / 水熱分解 / 有機酸 / 流動計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性セシウム(Cs)で汚染された土壌の量は莫大であり、保管場所の確保の難しさから、その減容化が求められている。汚染土壌を高減容化するためには土壌からのCs分離は不可欠である。本研究では「農林系・廃棄物系バイオマス」を添加して水熱分解処理を行うことで有用な「有機酸」を得て、亜臨界状態の水および得られた有機酸により汚染土壌からCsを分離する手法を開発する。本年度は水熱分解条件とCs分離率の関係を調べることで高Cs分離性を示す水熱分解条件を実験的に検討した。安定同位体Cs-133を吸着させた模擬汚染土壌を作製しこれを用いて実験を行った。結果として、蒸留水のみを用いた水熱分解処理と比べて、リンゴ酸やフマル酸などを含有するバイオマスを添加した条件下において土壌中の構成成分の粘土鉱物に対して水熱分解処理を施した場合に、高いCs分離性が得られることが確認された。新規装置が納入されるまでは既設の装置で実験を進めていたが、研究計画通り、平成27年度内に圧力容器・ヒーター分離式の水熱分解装置を設計・依頼製作し、これを用いて実験を進めた。試料回収性・洗浄作業性に優れる装置であり効率的なデータ収集に寄与した。また、超音波パルスドップラー式流速分布計測法を用いることで、装置内の水の流れに同伴される土壌の流動状態とCs分離率の関係を調べ、最適な流れ場の条件についてあわせて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究を通して高Cs分離性を示す水熱分解条件のデータベース構築に資することができた。また、研究計画どおり、効率的なデータ収集に資する圧力容器・ヒーター分離式の水熱分解装置を平成27年度内に設計・依頼製作し、これを各種実験に用いることができた。超音波パルスドップラー式流速分布計測法を用いることで、Cs分離に有効な流れ場の条件について検討することができた。以上より、全体としておおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
高Cs分離性を示す水熱分解条件の探索を継続するとともに、高Cs分離性を示す水熱分解条件において農林系・廃棄物系バイオマスから生成される有機酸を同定し、その有機酸の生成過程およびCs分離に有効な有機酸を明らかにする。また、本分離技術における土壌からのCs分離メカニズムについて考察する。そして、実規模のプロセスを概念設計し、規模・減容効果について実用性の観点から本技術を評価する。
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Causes of Carryover |
物品費を当初予定の見積金額より安く抑えられたため。また、消耗品である水熱分解装置のメタル内筒や超音波センサーに関して現有のものを本年度において継続使用できたことで新規購入をとりやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用の試薬の購入費や学会旅費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)