2016 Fiscal Year Annual Research Report
Exosome isolation/concentration system by utilizing ion control techniques for early diagnosis of cancer
Project/Area Number |
15K20989
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
茂木 克雄 東京工業大学, 工学院, 特任助教 (20610950)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エクソソーム / イオン濃度分極 / イオン枯渇領域 / イオン交換膜 / マイクロ / ナノ / HUVEC / exosome |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんの早期診断を目指し、がんのバイオマーカーであるエクソソームを高精度で検出するための単離・濃縮手法の開発に取り組んだ。“エクソソームのような微小な帯電粒子”を迅速かつ高効率で体液中から単離・濃縮するために、イオン濃度分極で発生するイオン枯渇領域を利用するマイクロ流体デバイスを開発した。開発したデバイスの機能検証および改良のために、複数種類のサイズの帯電粒子、アルブミン、デキストラン、バキュロウィルスをモデル粒子として網羅的に単離・濃縮実験を実施した。その結果として、イオン枯渇領域の規模と入力電圧との間に、制御可能な相関があることが明らかになった。さらに、各粒子がイオン枯渇領域から受ける斥力の差異を明らかにし、粒子を帯電量やサイズによって単離できることを示した。 28年度は、製作したデバイスで実際にエクソソームの操作を行った。使用したエクソソームは、ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC)、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞(A549)、ヒト胎児腎細胞由来株(HEK293)および、乳がん細胞株(MCF-7)の4つの細胞の培養液から取り出した。この4種類のエクソソームについて、イオン枯渇領域からうける斥力についての検証を実施し、エクソソームが他の帯電粒子と同様に単離・濃縮可能なことを示した。また、エクソソームの形状を原子間力顕微鏡により測定することで、本手法の電気化学的な力がエクソソームの形状維持に影響をおよぼさないことが示された。
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Research Products
(24 results)