2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Meiji Anthologies of Historical Poems With a Focus on Ohnuma Chinzan's Rekidai Eishi Hyakuritsu and Nihon Eishi Hyakuritsu
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15K21000
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高芝 麻子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (80712744)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 詠史詩 / 大沼枕山 / 漢詩 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き、大沼枕山『歴代詠史百律』の訳注作業を行った。3月末までに全ての作品について訳注を附すことができた。現在、書式の調整、問題が残る点の検討作業など、共著の形での出版助成申請の準備を行っている。また、大沼枕山の生きた幕末から明治前期の詠史詩集ブームの状況について、およびに『歴代詠史百律』収録作品について大沼枕山が参照したと思われる書籍(主に歴史書)について、論考をまとめた。これらは前述の通り、訳注とあわせて一冊の研究書(共著)とする予定である。 あわせて、枕山を初めとする日本人の詠史詩、およびに日本人の中国史理解について検討した。その成果は、2017年10月1日「「長恨歌序」と日本文化の中の楊貴妃」(古典教育デザイン研究会秋季大会)、2018年3月17日「詩文に見える荊軻イメージの変遷」(古典教育デザイン研究会春季大会)として古典文学の見地も踏まえて口頭報告し、「「漁夫の利」の動物たちはなぜしゃべるのか―『戦国策』に見える擬人法―」(『古典教育デザイン』3号、2018年1月1刊行)を発表した。口頭報告の2件については2018年度内に紀要などに発表する予定である。 さらに、幕末から明治期の日本人の漢詩作成の手法、特に初学者の漢詩の作り方を踏まえて、高校生や大学生に対し漢詩実作の実践授業を行い、論考「漢詩実作教材「漢詩カード」試論 中学校・高等学校での教材として」(『横浜国大国語教育研究』43号、2018年4月)にまとめ、発表した。
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