2015 Fiscal Year Research-status Report
eテスティングにおける複数等質適応型テストの自動生成システムの開発
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15K21007
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
宮澤 芳光 東京学芸大学, 次世代教育研究推進機構, 助教 (70726166)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | eテスティング / 適応型テスト / Computer Based Testing / 複数質テスト / 複数等質テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,効率的に受検者の能力を測定するため,適応型テストと呼ばれる項目出題戦略がリクルート社のSPIをはじめ多くのテスト業界で実用化されつつある.適応型テストとは,コンピュータを用いて受検者の解答履歴から能力を逐次的に推定し,その能力に応じて最適な項目を出題する項目出題戦略である.しかし,従来の適応型テストには以下の問題点があった.(1)能力に応じて推定精度が高い項目を出題し,能力が同等な受検者には全く同じ項目群が出題されるため,同一の受検者が繰り返しテストを受験することはできない.(2)推定精度の高い項目は出題回数が極端に多く,受検者に対策がとられるため,識別力が低下する.(3)項目の作成は非常にコストが高いにもかかわらず,全く出題されない項目があるため,項目のデータベースであるアイテム・バンクを有効活用できていない.そこで,本研究では,能力が同等な受検者であっても,異なる項目を出題する複数等質適応型テストを提案する. 平成27年度は、複数等質適応型テストの自動生成手法を定式化した.本手法では、大きく二段階に分けて項目を出題する。まず、異なる項目によって構成されているにも関わらずテスト情報量が等質の複数等質テストを生成する.次に、構成された複数等質テストをアイテム・バンクとして情報量が最大の項目をアイテム・バンクから抽出し,受検者に出題する.本年度では、項目反応理論に基づいて項目の特徴を乱数から作成し,アイテム・バンクを構築した後,本手法を用いて複数等質適応型テストを生成した.シミュレーション実験では,本手法の限界や適用制約について評価するため,多様な条件を設定し,出題した項目のパターン,受検者に出題した項目数,アイテム・バンクから出題した項目数を比較・検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗は、計画通りに進んでいる。当初の計画通り、手法を確立させ、シミュレーションによって手法の有効性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
Web上でテストを実施している業者のアイテム・バンクを用いて,シミュレーション実験と同様に本手法の限界や有効性を検証する.現在,一社のアイテム・バンクは既に入手済みである.
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Causes of Carryover |
申請者の大学間移動によって大型計算機サーバの購入が次年度になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、実験用の大型計算機サーバを購入予定である。
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