2016 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study of changing rate of crystal orientation aiming at the production of anisotropic ice
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15K21021
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺岡 喜和 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (10365025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 凝固 / 氷結晶 / 結晶成長 / 異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
独自に開発した金属箔ベルト製氷装置は,板状氷を一定速度で連続的に生成可能である.この装置によって生成される板状氷の結晶状態を観察し,任意箇所の結晶方向を測定する実験を行った結果,以下の結論を得た. 過冷却を伴う初期の生成過程では多数の結晶粒を有するが,成長に伴ってその数は減少し,隣接する結晶粒の結晶方向がほぼ等しい状態,つまり,単結晶に近い多結晶状態になる.この結晶状態が維持される成長様相に二種類あることを確認し,一つは板に対し結晶の基底面が平行,もう一方は基底面が板に対し垂直かつ成長方向に平行となることを明らかにした.以降,前者を平行成長,後者を垂直成長,それ以外を不安定成長と呼ぶ. 不安定成長から平行または垂直成長へは不規則に移行するが,同条件で複数回の実験を行うことで両安定状態への移行確率を求めた.その結果から,垂直成長への移行確率は,ベルト速度が11 mm/min 近傍で最大となる一方,平行成長への移行確率はベルト速度の増加に伴い上昇し,その値が18 mm/min において垂直成長への移行確率と同程度となることを確認した. 不安定成長においては,稀に,結晶粒界が波状の様相を示す周期的な結晶状態が観察される.この周期的不安定成長の結晶方向について,基底面の角度を測定した.その結果,結晶方向変化は二種類のモードに分けられ,徐々に基底面が平行になる変化と,それとは反対の方向に変化するモードがあることを明らかにした.前者の変化は,平行成長に移行する直前にも観察されることを確認している.これらのモードいずれが発生するかは,成長方向およびベルト面との基底面の角度によって決定し,これらのモードが周期的に切り替わることにより,周期的不安定成長が発生することを示した.さらに,ベルト速度の増加によって,この結晶方向変化速度が増加することを明らかにした.
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Research Products
(2 results)