2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K21022
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小村 卓也 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90623322)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 耐糖能異常 / 担癌状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、耐糖能異常を有するマウスモデルを作成し、マクロファージ系をはじめとした免疫状態の解明を行い、担癌状態ではどのような変化をきたすかを検討することが目的である。平成27年度では、耐糖能異常を有するマウスモデルの作成に成功した。 平成28年度以降においては、Wild typeマウスと耐糖能異常を有するマウスモデルそれぞれにおいてマウス膵癌細胞株であるPan02の移植実験を行い、生存曲線や腫瘍径およびマクロファージ系をはじめとした免疫状態の解明を行い比較検討することとしていた。 平成28年度においては、まずWild typeマウスであるC57 BL/6Jマウス(8週齢、雌)の皮下にPan02を接種し膵臓癌皮下接種モデルを確立した。接種後約30日程度以降、体表から腫瘍が認識でき、約60日程度で個体死するモデルである。癌局所に関しては、腫瘍細胞の生着、組織学的には、fibrosisに富む癌組織を確認した。癌局所の免疫応答に関しては、癌組織について免疫組織化学法(IHC)にて炎症状態を解析した。IHCにて検討した分子に関しては、CD4, CD8, CD11b Gr-1, などであった。次にPan02を腹腔内に接種し膵臓癌腹膜播種モデルを確立した。このモデルにおいては腫瘍が生着することによりおよそ接種後30日程度で個体死するモデルである。いずれのモデルにおいても、ヒトにおける膵癌と組織学的および臨床経過として類似するモデルと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究においては、ヒトにおける膵がんと類似する組織学的および臨床経過を認めるマウスモデルの作成が重要である。それらのマウスモデルを皮下接種モデルおよび腹膜播種モデルの2種類の作成に成功したため、おおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、マウスにおける膵がんマウスモデル作成に成功している。これらに対して、癌局所の免疫応答に関しては、癌組織について免疫組織化学法(IHC)にて炎症状態を解析し、できれば局所浸潤炎症細胞に関してFlow cytometry(FCM)にてその特徴を解析したい。 末梢血液および脾細胞においては、腫瘍接種後、経時的に採取し、炎症細胞をFlow cytometry(FCM)にて解析したい。また、RNAを採取してmicroarrayによる包括的な遺伝子発現プロファイルの検討を行いたい。
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Research Products
(3 results)