2015 Fiscal Year Research-status Report
新たな香り提示法による自閉症スペクトラム症児の嗅覚特性同定と療育への応用
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15K21031
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
熊崎 博一 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (70445336)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 嗅覚特性 / 検知閾値 / 同定力 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症( Autism Spectrum Disorder: 以下ASDと略す)児において、嗅覚過敏などの嗅覚特性が社会生活への不適応につながっており、ある種の教材や部屋などのにおいに敏感で学習・社会参加が進まないといった事態が起きている。既存の嗅覚検査器具では感度が低く、ASD児の嗅覚特性の解明は進んでいなかった。「Fragrance Jet for Medical Checkup」は精密な射出制御が可能であり、幼児にでも嗅覚特性の同定が可能である。「Fragrance Jet for Medical Checkup」にてASD児の嗅覚特性を測定した。尚予備実験を繰り返し、ディスプレイを改良した結果5歳程度の知的能力の児に対しても、集中して実験を行うことが可能となった。 測定内容としては複数種類の香料に対する嗅覚検知閾値の測定、視覚刺激を提示した際の香りの同定力、香り環境変化への対応力などを測定した。香りの種類によってはASD児とコントロール群において嗅覚特性が異なることが示唆された。また「Fragrance Jet II」に多チャンネル近赤外線分光法(Multi-channel Near- infrared Spectroscopy: MNIRS)を用いた実験にも着手ASD児とコントロール群の嗅覚刺激時におけるニオイ刺激時の脳皮質活動を測定し、その差異について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数種類の香料に対する嗅覚検知閾値の測定、視覚刺激を提示した際の香りの同定力、香り環境変化への対応力などを測定することができ今後臨床へのフィードバックへつなげるためのデータ準備ができつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は心理検査データ・嗅覚質問紙のデータを蓄積し、「Fragrance Jet for Medical Checkup」にて得たデータとの関連性を探り臨床へのフィードバックができるように準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
旅費として計上していた経費を,別予算で充当したことが主な原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は多くの対象者に質問紙を用いた調査を行うための謝金、人件費、結果についての多角的な分析を行うためのミーティングのための交通費が必要になる予定である。
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Research Products
(1 results)