2016 Fiscal Year Research-status Report
加工で生じる残留応力を低減させ、鉄損増加を抑制した高効率回転機コアの新製作法研究
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15K21042
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
ユン キヨル 岐阜大学, 工学部, 助教 (50596020)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Motor core / Fe-Al bonding / dissimilar metal bonding / iron loss / ceramic precursor |
Outline of Annual Research Achievements |
電気エネルギーの節約に直結する、回転機(モータ、発電機など)の効率を上げる方法はいろいろある。その一つが回転機を稼働するとき、回転機コア(ステータコア、ロータコア)に生じる鉄損増加を抑制することである。鉄損は回転機コアを励磁するとき生じるが、残留応力によって劣化する。この残留応力は、従来の回転機製作法であるカシメ、溶接、焼きばめなどの加工によって生じてしまう。そこで、本研究では、「絶縁皮膜を除去した電磁鋼板間に窒化物の絶縁層ができる金属接合方法」を用いて残留応力を低減し鉄損増加を抑制した「新たな回転機コアの製作方法を確立すること」を研究目的とする。歪み取り焼鈍によって残留応力を抑制しながら絶縁膜を生成する電磁鋼板の接合方法を実施した。提案した方法で去年指摘された加工時間の長さ、工程の複雑さや設備の簡略化をすることが難しかったので接着方法をセラミックス前躯体を用いて接着する方法も追加で実施した。 セラミックス前躯体を用いた接着方法は61st Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials、電気学会全国大会およびマグネティックス研究会に発表を行なった。またIASET: IJMMCEに投稿し査読付き論文として掲載された。 当初提案した方法では「歪み取り焼鈍時に窒化処理を行なうことで電磁鋼板間に窒化物の絶縁層を生成する新たな回転機コアの制作方法を確立する」という大きな目標を達成できていない。しかしセラミックス前躯体を用いて電磁鋼板を接着することで歪み取り焼鈍と接着を同時にすることが可能となった。29年度は提案した方法を改良した方法を比較しながらリングコアで実験をすることで最終目標である回転機コアへの適用可能性を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案した方法では窒化量およびAl-Mg合金が電磁鋼板に浸透する量を制御することが難しかったが、セラミックス前躯体を用いて接着および絶縁膜の生成に成功することで当初の目標である歪み取り焼鈍と接着を同時にすることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目標であるバレル窒化法では歪み取り焼鈍と接着を同時に施すことが困難であることが分かった。しかしセラミックス前躯体を用いて歪み取り焼鈍と接着を同時に施すことに成功したので今後リング試料を用いて実験することで回転機コアに適用できる可能性を判断することが可能である。
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Causes of Carryover |
研究計画が途中修正したことで消耗品、装置などの出費変更が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
回転機に適用するためにモータ展示会やシンポジウムなどで情報収集を行なったり追加実験をする。
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Research Products
(4 results)