2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a low work function surface for an efficient energy converter
Project/Area Number |
15K21048
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
増澤 智昭 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (40570289)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 低仕事関数 / 表面 / 電子放出 / PETE / TEC / 真空デバイス / 発電素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,真空エレクトロニクスを利用した高効率発電デバイスの開発を目指し,コレクターに低仕事関数の表面を形成することで,高効率発電技術の実現を目指すものである。 本研究で扱う発電デバイスは,熱電子放出と光電子放出の二つの電子放出現象を組み合わせることで高効率での発電が可能になるとされている。発電効率は電子を放出する側(エミッター)と電子を受け取る側(コレクター)の仕事関数の差によって決まる。従来はエミッターの高効率化に関する研究が中心であったが,本研究ではコレクターに焦点を当てて研究を行った。 高効率な発電を実現するには,仕事関数の小さいコレクターを使用することが重要である。本研究では,リン添加ダイヤモンドの表面終端による仕事関数制御と,低仕事関数コレクター作成のためのナノ炭素表面形成を目指して研究をおこなった。 リン添加ダイヤモンドの仕事関数制御については,平成27年度に水素終端表面,平成28年度に酸素終端表面およびグラフェン形成表面について仕事関数評価をおこなった。その結果,リン添加ダイヤモンド内部に上向きのバンドベンディングが存在すること,表面終端によってバンドベンディングと電子親和力が変化することがわかった。この結果から,ダイヤモンド内部でのバンドベンディングの抑制が発電効率向上につながる可能性を示し,発電デバイスの効率向上のために新しいアプローチの可能性を示した。ナノ炭素形成については爆轟法ダイヤモンドを下地材としてCVD法によるダイヤモンド合成を行い,仕事関数を評価した。また,本研究の成果から派生して,ダイヤモンド電子源を用いた光検出器の感度改善の可能性が示された。
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Remarks |
成果公開のためのホームページを開設予定であったが、静岡大学が提供するリポジトリサービスを利用し成果公開を行うこととする。
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