2015 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害児の包括的症状評価と適応行動に基づく介入プログラムの開発
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15K21053
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大隅 香苗 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (00588767)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ADOS2 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自閉スペクトラム症(ASD)の中核症状と併存症状の包括的な検討を通じて、ASDのサブグループ化を試みること、また各々のサブグループにおける適応行動スキルを評価し、その特徴を明らかにすること、サブグループの特徴に合わせた心理教育的介入プログラムの作成と効果検証を行うことによって、ASDへの効果的な支援について知見を得ることである。 平成27年度は、ASD診断の妥当性を高めるために、評価法を整理し実施スキルの習得を目指した。本研究では、国際標準の評価尺度であるADOS(Autism Diagnostic Observation Schedule:自閉症診断観察スケジュール)による評価を行う。ADOS2は、平成27年に日本語版が発売されたが、研究に用いるためには、実施者が研究ライセンスを取得する必要がある。平成27年度は、申請者が研究ライセンス取得のため、5月にカナダで開催されたADOS2のResearch Training Workshopに参加した。現在ライセンスの取得に向け準備を行っている。また、ASDの併存症状の一つとしての感覚処理のタイプを把握するセンソリープロファイル(SP)と、適応行動スキルを評価するためのVineland適応行動尺度について、日本語版の開発者を招いて浜松医科大学にて研修会を開催した。 ASDの中核症状と併存症状の包括的な視点を取り入れた新しい心理教育プログラムを実施し、現在、論文化、書籍化に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、3年計画の準備段階として、ASD診断の国際的な基準に合わせて、使用する尺度の整理と実施スキルの習得を目指した。次年度は申請者が休暇取得のため補助事業期間の延長を行う。休暇取得の関係から、対象児のリクルートは2年目以降に行う計画となり、進捗はやや遅れている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、ASD診断の妥当性の高いツールを用いて、症状の包括的なアセスメントを行う。その結果に基づいて、中核症状と併存症状の包括的な視点を取り入れた新しい心理教育的プログラムについて再考し、プログラムをより精緻化させていく。プログラムの開発では、ASD児が自身の特性について理解でき、さらに強みを伸ばしていくプログラムとして、特性理解のプログラムの作成を行う。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の実施が次年度にずれ込んだため、質問紙の多くは未購入であり、物品費等で大幅に繰り越しが生じた。また質問紙データの整理を行うための研究補助者に対して支払う謝金については未執行である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由に沿って、質問紙やデータ整理の謝金に使用していく。また次年度に請求する研究費は申請通りに行う予定である。
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