2015 Fiscal Year Research-status Report
網羅的染色体コピー数解析による家族性・若年性胃がんの新規原因遺伝子の探索
Project/Area Number |
15K21054
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 英孝 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (30397400)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 家族性胃がん / 若年性胃がん / 生殖細胞 / コピー数変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性びまん性胃がんの原因遺伝子であるE-カドヘリン(CDH1)遺伝子の生殖細胞変異およびコピー数変異が見つからなかった家族性胃がん5家系の発端者および血縁者8例と1家系の若年性胃がん患者1例についてCytoScan HD Arrayを用いて、生殖細胞における染色体のコピー数変化を網羅的に調べた。検出されたコピー数変化の中から次の条件を全て満たす領域を家族性胃がんおよび若年性胃がんの発症に関与するコピー数変化の候補とした。①優性遺伝形式・劣性遺伝形式に当てはまる領域。②遺伝子のエクソンが含まれる領域。③構造多型データベース(DGV)に登録されている領域との一致率が70%以下の領域。その結果、各家系で10~60の領域まで絞り込まれ、その中にはがん関連遺伝子のコピー数変化も含まれていた。CytoScan HD Arrayの結果と一致しているかどうかを確認する為に、絞り込まれた領域の中から10領域を選び、定量PCRまたはTaqMan Copy Number Assayに行った。その結果、3領域がCytoScan HD Arrayの結果と一致していた。現在、TaqMan Copy Number Assayによってこの3領域のコピー数変化を胃がん非発症者200例について調べ、家族性胃がんおよび若年性胃がんの発症に関与する生殖細胞における染色体のコピー数変異であるかどうかを確認しているところであり、各領域について40例の解析が終わっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CytoScan HD Arrayを行った症例数は研究計画よりも少ないが、各症例において家族性胃がんおよび若年性胃がんの発症に関与するコピー数変化の候補領域を見出すことができた。胃がん非発症者200例においてこの見出したコピー数変化の探索を進めることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
CytoScan HD Arrayを行っていない家族性胃がんおよび若年性胃がん症例について生殖細胞における染色体のコピー数変化を網羅的に調べる。今年度の研究で絞り込まれたコピー数変化には擬陽性の領域が残っていたので、胃がん非発症者についてもCytoScan HD Arrayを行い、擬陽性の領域を取り除き絞り込みの精度をあげる。胃がん非発症者200例での解析によって同定された家族性胃がんおよび若年性胃がんの発症に関与するコピー数変異については、そのコピー数変異を有する検体のRNAからcDNAを合成し、RT-PCRでスプライシングの異常を、定量RT-PCRで発現量を調べる。スプライシングの異常が見られたコピー数変化についてはFLAG配列を付加した発現ベクターを作成し、哺乳動物細胞に導入後、ウエスタンブロット法でタンパク質の発現を、免疫蛍光法で細胞内局在を調べる。
|