2016 Fiscal Year Research-status Report
光電気化学-水晶発振子マイクロバランス同時計測法による光合成タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
15K21077
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 政晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20571219)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タンパク質 / 生体関連高分子 / 光合成 / 水晶発振子マイクロバランス法 / 同時計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物が行なう光合成反応では、光エネルギーを利用して電子を移動させる(光誘起電流を発生させる)反応中心タンパク質(RC)が、電子受容体・供与体のタンパク質と協同的にはたらくことで、高効率の光誘起電子移動を実現している。本研究では、RCもしくはコアアンテナタンパク質(LH1)とRCの複合体(LH1-RC)を水晶発振子上へ分子配向を制御し、活性を保ったまま固定化し、電気化学計測による光誘起電流とLH1-RCへ電子を供給する分子(電子供与体)や電子を受け取る分子(電子受容体)のLH1-RCへの吸着・脱着による重量変化を水晶発振子マイクロバランス法(QCM)の同時計測により基板上に固定化されたRC、LH1-RCの機能・物性の評価を行なう。この評価で得られた知見から、生体高分子を用いた光水素生産デバイスの構築を目指す。 平成28年度では、電気化学計測が可能なQCM装置の機種選定を進め、機種の導入を行った。また、基板表面に固定化するLH1-RCの層を単層から多層、電子供与体にシトクロムc、電子受容体に水溶性のユビキノンを用いることで光電流値の増大が見られた。光電流値の計測法は、QCM装置との同時計測ではないが、光電流値(シグナル)の大きさは、QCM装置から電気化学計測器へノイズよりもが大きく計測できる可能性を示したため、同時計測系の構築が可能になると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基板表面に固定化するLH1-RCの層を単層から多層、電子供与体にシトクロムc、電子受容体にユビキノンを用いることで光電流値の増大が見られた。光電流値の計測法は、QCM装置との同時計測ではないが、光電流値(シグナル)の大きさは、QCM装置から電気化学計測器へノイズよりもが大きく計測できる可能性を示した。 以上の結果より、同時計測系の構築が可能になると予想されるため、研究はおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
QCM装置の金センサーチップ上にLH1-RCを固定化し、高い電流値の得られる系の構築を進める。その際、電子供与体にシトクロムc、電子受容体にユビキノンを用いて進める。また、他の光誘起電子移動が観測可能なモデル系(金属錯体やポルフィリンなど)に関しても同時に進める。
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Causes of Carryover |
本研究で進める光電気化学と水晶発振子マイクロバランス(QCM)法の同時計測系の構築を進めている。平成28年度にQCMを導入したが、機種選定の遅れから年度末に導入された。そのため、QCMの消耗品センサーチップ代が消費されず次年度使用金額になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の実験で使用するQCMの消耗品センサーチップ代にあてる。
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Research Products
(2 results)