2015 Fiscal Year Research-status Report
点滅視覚刺激を用いた健常者用脳波インタフェースの検討
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15K21078
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
船瀬 新王 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60378239)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 定常性視覚誘発電位 / 視覚刺激 / 脳波 / インタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標は健常者に対しての脳波インタフェースを構築することである.この研究において,申請者は,(SG1):中心周波数と周辺周波数のパワーの関係性,(SG2):中心視野と周辺視野でのSSVEPのパワーの関連性,(SG3):点滅視覚刺激と被験者との距離における関連性,(SG4):点滅視覚刺激と周辺の明るさとの関連性,(SG5):(SG2)〜(SG4)までの関係性を考慮した(SG1)へのフィードバック,(SG6):乾式電極を使用した際の脳波計測とその分類方法に関する検討の6つのサブゴールを設定した.平成27年度は,このSG1の解決に向けて,中心周波数と周辺周波数のパワー変動の関連性について検討した. 実験結果より,中心周波数と周辺周波数のパワー変動に関して2つの種類に分類できた.1種類目は,中心周波数と周辺周波数のパワーの強さに差がないものである.2種類目は,中心周波数のパワーが周辺周波数のパワーよりも大きいものである.この出現頻度は被検者により差はあるが,全体の4割程度が中心周波数のパワーと周辺周波数のパワーに大きな差がないものである.残り6割が中心周波数のパワーが周辺周波数のパワーよりも大きくなるものである. この結果より,1試行(2秒間)の脳波データからは,周辺周波数と中心周波数のパワーの大小から視覚刺激を見ているか見ていないかを判断することは6割程度しかできないと言える.しかしながら,2試行分や3試行分のデータを用いることにより視覚刺激を見ているか見ていないかを判別率を上げることができることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を実行するためにサブゴールを6つ用意している.27年度は,(SG1) :中心周波数と周辺周波数のパワーの関係性を明らかにするというサブゴールが中心である.この点においては研究実績の概要でも述べたとおり,関係性を明らかにすることができた.また,研究予定では(SG6):乾式電極を使用した際の脳波計測とその分類方法に関する検討も行うことを述べていた.(SG6)は27年度後半から29年度に渡っているサブゴールであるが,特に27年度は乾式電極を使用した際の脳波測定の準備を行うことが中心である.この準備にしてはすでに行っている.よって,現在の進捗状況は順調にするんでいるものだと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の今後の流れとして,H28年度はサブゴールの(SG2):中心視野と周辺視野でのSSVEPのパワーの関連性,(SG3):点滅視覚刺激と被験者との距離における関連性,(SG4):点滅視覚刺激と周辺の明るさとの関連性についてを中心として研究を行っていく予定である.SG2においては,周辺視野に視覚刺激を提示してどのような関係性があるのかを明らかにする予定である.また,複数の視覚刺激を提示して周辺視野にある視覚刺激と中心視野にある視覚刺激の関連性についても明らかにする.(SG3)は,サブゴールに述べているように距離を変えることの影響を見る.(SG4)に関しては部屋の明るさを変化させることにより実験を行い予定である.また,(SG6)の乾式電極を用いた脳波計での計測とその性質の確認を同時に行っていく予定である. また,H29年度は,(SG5):(SG2)〜(SG4)までの関係性を考慮した(SG1)へのフィードバック,(SG6):乾式電極を使用した際の脳波計測とその分類方法に関する検討を行って行く予定である.
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Causes of Carryover |
乾式電極を他予算にて購入することが可能となったために,他予算を用いて購入を行った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ解析用のPCの増強と脳波インタフェースに関連する学会へ参加し情報の収集に努めることと学会にて研究成果を発表することに使用する予定である.
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