2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K21089
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増田 史子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60362547)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 船舶先取特権 / 準拠法 / 倒産 / 責任保険 / 船舶抵当権 / アレスト / 仲裁 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、主に本研究課題に係る文献の収集と整理、関連する裁判例の検討や諸外国の議論の紹介を行った。 前者は平成28年度以降の研究に向けた準備作業であり、今後研究成果を発表していく際の基礎資料とする予定である。後者としては、船舶先取特権の準拠法に関する判例(水戸地裁平成26年3月20日判時2236号135頁)、船骸撤去に係る保険金の責任保険者に対する直接支払請求に関する判例(宮崎地裁平成27年1月23日判例集未搭載)について研究を行い、基本的な論点の整理を実務的な観点を踏まえて行った。また、2015年6月に開催された万国海法会イスタンブール・コロキアムでの議論の紹介を兼ねて、諸外国の船舶先取特権に関する諸制度等の紹介、検討を行った。 期中に異動があり、また、運送法改正の動きが佳境に差しかかる中で優先的に取り組むべき事項についても再考したため、平成27年度の研究は必ずしも計画通りに進展したとはいえない。しかしながら、本研究課題の最終的な到達目標との関係では、小ぶりではあるものの、基礎的、実際的な検討を行うことはできたと考えている。 なお、助成金の使途は主に消耗品費(書籍)と旅費となった。これは、平成27年度中に関連書籍の刊行が多数あったこと、当初、パーソナルコンピューターの購入を予定していたが異動に伴う事務の煩雑を避けるため一時先送りした方がよいと判断したことによる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
期中に本研究課題に関わる裁判例や外国法情報などに接したこと、運送法改正に関する議論を通じて検討の視点を再度検証する必要を感じことから、平成27年度中の検討を計画していた一部の事項(特に運送人留置権に関する検討)について、平成28年度以後に先送りすることとし、別の事項の検討に優先的に取り組んだ。このため、先送りした部分を中心にやや遅れていると自己評価せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度までに、基礎的な文献はある程度収集することができたが、特に船舶関係については、十分な比較法的検討を行えるだけの資料は未だ十分にそろっていないと感じている。このため、平成28年度以後も引き続き、文献の収集と整理を行いつつ、論文執筆を意識した考察の枠組みの検討を、行っていきたいと考えている。 平成27年度に積み残しとなった課題については、切り口を再検討する必要があると考えているため、具体的成果を出すにはまだ時間がかかると思われるが、引き続き、情報収集と検討を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
助成金のかなりの部分を書籍の購入にあてているが、新たに必要書籍を年度内に購入するにはやや中途半端な額が残ったため、次年度に交付される助成金とあわせて使用するために未使用額として残した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の交付額とあわせて、書籍の購入などにあてる。
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Research Products
(5 results)