2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K21101
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
石橋 亜澄 (田邊亜澄) 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50589728)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知心理学 / 実験心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度では、エディンバラ大学のRobert Logie教授のグループにおいて日常生活場面を模した多重課題状況を実験するために開発されたEdinburgh Virtual Errands Task (EVET)という課題(Logie, Trawley & Law [Mem. Cogn. 39, 1561-1574. (2011)])を元に、Logie教授とEVETのプログラム開発担当のMathew Logie氏の協力を得て、課題状況・課題内容を日本語化した上でさまざまな日常的オブジェクトを取り扱う展望記憶課題を開発した。この課題では、元のEVETと同様にリスト化された複数の課題を行うが、その中のオブジェクトを取得する課題の一つが展望記憶課題となっている。実験参加者には、オブジェクトの持つ形態情報または意味情報に基づいて、リストの課題を遂行する中で並行してオブジェクトに働きかけることが要求される。実験参加者がオブジェクトの形態情報にのみ注意を向けている状態での展望記憶課題の遂行成績と、オブジェクトの意味情報にのみ注意を向けている状態で同様に課題を行った場合の成績を比較することにより、周囲の視覚情報・意味情報が課題ターゲットに及ぼす影響を明らかにできるようになった。 EVET課題を日本語化して開発したことにより、英国内でしか研究されていなかったEVETを日本でも研究できるようになった。これにより、実験対象を広げより普遍的なデータを得られるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年度に所属機関が京都大学から追手門学院大学に、また職位が研究員から特任助教に変更となった。この変更に伴い、教育業務へのリソース再配分および実験環境の新規構築の必要が生じ研究準備に関して当初予定よりも比較的長い期間を必要とした。 しかし、平成28年度に研究実施予定であるワーキングメモリ容量の測定と並行してEVETのデータを取得することで、当初の研究計画の予定通り事業を進行させることが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では、オブジェクトの展望記憶課題EVETの成績とワーキングメモリ容量の個人差との間にどのような関係が見られるかを調べる予定である。そのため、実験参加者にはEVETと並行してワーキングメモリ容量測定課題にも取り組んでもらう。ワーキングメモリ容量測定課題には、日本語リーディングスパンテスト(苧阪・苧阪[心理学研究, 65, 339-345. (1994).])、空間スパンテスト(Shah & Miyake [J. Exp. Psychol. Gen. 125, 4-27. (1996) .])、ピクチャースパンテスト(Tanabe & Osaka [Behav. Res. Methods. 41, 309-317. (2009) .])を使用する予定である。これらの課題成績の間での相関を検討することで、ワーキングメモリ容量の個人差が日常的場面での展望記憶課題遂行の個人差に反映されるのか検証する。
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Causes of Carryover |
2016年1月頃からの円高の影響により、イギリスで作成されたプログラムにかかる費用の額が当初の見積もりより変動したため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験参加者謝金に割り当て、より多くのデータが得られるように図る予定である。
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Research Products
(1 results)