2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化における『狩猟採集民』と『農耕民』関係の再考
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15K21109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 裕美 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (10646904)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 民族誌 / 狩猟採集民 / ボルネオ / マレーシア / アイデンティティ / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はグローバル化における『狩猟採集民』と『農耕民』関係について再考することを目的としている。2017年度は、サラワク中央部における「狩猟採集民」と「農耕民」の社会関係について、8月にマレーシア・サラワク州の複数の村落を訪れて現地調査を行った。特に狩猟採集民の村落におけるインドネシア人などの外部者との関係を明らかにするための調査を行った。 また、文献調査として、ボルネオ研究読書会を組織した。2017年度は8回の読書会を開催し、ボルネオ研究に重要な英文書籍を精読した。 研究成果のうち、狩猟採集民の村落におけるインドネシア人居住者との関係について『マレーシア研究』より論文を刊行した。定住した狩猟採集民が持つ他民族集団に対する認識について、現地雑誌Ngingitより論文を刊行した。また、定住した狩猟採集民ブカタンと農耕民イバンの歴史的な関係を考察し、同じ九現地雑誌Ngingitより論文を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って着実に成果を残しつつある。2017年度は、文献調査による情報収集と、現地調査によるデータの収集を両軸として研究を進めることができた。文献調査では、近年刊行されたボルネオに関する重要な英文書籍の精読を通して、研究動向を検討した。また現地調査によって得られた情報と合わせて、日本語誌や現地誌に論文を掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度となるため、これまでの研究成果をまとめることに力を注ぎたい。同時に、ボルネオ島内の都市部で暮らす狩猟採集民や、マレー半島の都市部に暮らす狩猟採集民のアイデンティティについて調査を行い、論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に予定している海外出張のために予算を使用したいため。
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